SEの仕事はブラックだ!
そんなことを言う人を本当にたくさん見かけます。はたして本当にそうなのでしょうか?
SEはブラックだと決めつけて、SEへの就職や転職を避けたり、SEをやっている人でも転職先がブラックかもしれないと思い転職を躊躇してしまう。
わたしは過去にSIerにて客先常駐のSEとして何社も派遣として見て回ってきましたが、結論としてはブラック企業はほとんどありませんでした。ブラック企業はわたしが勤めていた派遣元のSI企業ぐらいなものです。(サービス残業もありました…)
みんなブラック企業よりはホワイト企業に入りたい、そう思っていることでしょう。では、ホワイト企業はどんなところなのか?今回はその特徴を書いてみます。

ホワイト企業の特徴
1.休みすぎってぐらいの休暇がある
- 休日の日数
- 有給休暇の日数
といった、休日の日数について書かれています。土日や大型連休はあって当たり前のことです。IT業界において土日・大型連休なしってところはまずありません。(ウソついてる会社が極稀にありますが…)
大切なのは特別な休暇です。
- 病気による休暇が別途用意されているか?
- 10年目など、節目に大型の休暇が用意されているか?
- 育児休暇が用意されているか?
ホワイトな企業の場合、病気で休む場合は有給休暇とは別の休暇が用意されていることがあります。また、10年目というような節目に、社員をねぎらう目的で大型の休暇を用意してくれていたりします。
育児休暇についても、女性には用意されていることが多いです。ですが、ホワイト企業の場合は男性にも育児休暇が用意されているし、取得することを推奨していたりします。
休暇を取得することを推奨する。むしろ有給休暇の取得率が悪いと、会社側から怒られたりします。一ヶ月に一回は有給休暇を消化するよう計画を強制されたりします。
逆に、『有給休暇を消化しなければならない』ので、仕事との調整で悩むことがあります。これがホワイト企業ってやつです。
2.超低コストで生活できる社宅・社員寮がある
ホワイト企業の場合は社員のために『社宅』、『社員寮』を用意していることがあります。
社宅・社員寮は会社自体が建てているものと、どこかのアパートを一括で借り上げているのです。
どちらも共通して言えるのが、『家賃が安い』ということです。…とんでもなく安いです。
わたしの友人で社員寮に住んでいる人がいますが、家賃が1ヶ月2,000円だとか…。ほぼ無料と同じです。というか、実家ぐらしの人より低コストで生活ができている人が多いのです。
たとえ年収が低かったとしても、ホワイト企業であれば実効的な年収(見た目上の年収ではなく、使えるお金、年収)が高いのです。
3.保養所がある上に会員制のリゾートホテル
保養所のある企業というのはあったりなかったり、わたしの経験上、半々といったところです。
大手企業は保養所があるのはもちろん、零細企業っぽいところでも保養所があったりします。
保養所、というと、なんとなく民宿っぽいものをイメージしてしまいますが、ホワイト企業の保養所は一味違います。
日本でも最高峰と言われる、『エクシブ』という会員制リゾートホテルが会社の保養所という企業があったりします。
他には、『東急ハーヴェストクラブ』が保養所という会社もありました。
実はわたしも、派遣SE時代に正社員様の力を借りて、エクシブに宿泊させてもらったことがあります。完全に別世界でした…。
どうせ宿泊費、お高いんでしょ?と思ったのですが、1人あたり4,000~5,000円程度で泊まることができるんです!
ホワイト企業に入るというだけで、家族とのレジャー費が削減できてしまいます。
4.退職金がある
SEへの就職、転職で、福利厚生をしっかり見ていない人が多いです。ぜったいに見落としてほしくないところなのですが、退職金が無い、という会社があったりします。
退職金なんてあって当然、と思っていたのですが、最近では退職金なしの会社が増えてきています。
退職金というのは定年まで働くと、平均で2,000万円近いお金がもらえると言われています。(ただし、大手やお国の偉い人も含まれていると思います。一般的な民間企業、中央値は1,000万円程度と思っておいたほうが良いでしょう。ちなみにわたしの会社は1,000万円です。)
- SEの年収が500万円~600万円
- 手取りの年収にして400万円~500万円
- 1年で貯金できる金額は100万円ぐらい

わたしたちの世代は年金がまともにもらえるかどうかわかりません。年金支給が70歳、75歳になってしまうかもしれません。実質、年金もらえないのと同じことです。
ゆえに、退職金で生活しなければならない、退職金なしでは生きていけないという時代が来るかもしれません。
今の時代は、退職金があるというだけでホワイト企業と言えるのです。
5.健康的で低価格で食べれる社員食堂がある
東京方面にお勤めされているサラリーマンというのは多いです。
たいていの会社には社員食堂なんていうものはなく、昼食の時間になればビルの外へ食事をしに出かけます。
定食などを食べたりするのですが…高い。1食ワンコイン、500円くらいします。

とか考えたりすれば、500円を超えて、1,000円近くになることもあります。
これが、社員食堂のある会社だと、1食あたり200円~300円になります。某大手企業だと社員の食事が無料というところもあったりします。
- サラリーマンの一ヶ月あたりお小遣いは3万円と仮定
- 3万円の中に昼食代も含まれている
- 1食500円とすれば、実働20日とすれば昼食代は1万円
- 自由に使えるお金は残り2万円
社員食堂なら1食250円と考えても、一ヶ月(実働20日)の昼食代は5,000円です。一般的なサラリーマンと比較するとコストパフォーマンスがまるで違います。
ホワイト企業はたとえ年収が低かったとしても、普段の生活にかかるお金が安く済むので、余裕で生活できてしまうという特徴があります。
6.自転車通勤でも交通費が支給される
SEをやっているんだけども、年収が低い…と悩む人は多いでしょう。一応わたしもその一人です。

このように考える人は多いのではないでしょうか?わたしもそう思っていました。
家から駅まで、駅から会社までを自転車、歩きにしたりします。ですが、交通費を浮かしていることが会社にバレるとペナルティが課せられることがあります。今まで支払った交通費返せ、とか。最悪の場合は懲戒処分もありえます。
- バス・電車を使う人には交通費を支給する。
- バス・電車を使わない人には交通費を支給しない。
人によってはお金に差ができてしまい不平不満を産むし、規約を破って交通費を浮かそうと考える人が現れます。企業にとってはどうしても切り離せない問題です。
そこで、ホワイト企業の場合は問題が起こらないよう、
- 社員に一律、交通費を支払う。
- 家から会社の距離に応じて、徒歩・自転車通勤でも交通費を支給する。
ということにしています。
わたしの知り合いの話ですが、ロードバイクが趣味で片道10kmを自転車通勤している人がいます。一ヶ月あたり3万円の交通費を浮かしているのだとか。それでも企業から何も言われないのだそうです。ホワイト企業すぎる…。
これなら年収が平均より30万円くらい低くても文句なしですね。交通費は非課税ですし。
7.社員の健康を重視してくれる
SEの仕事にはストレスが溜まる場面がたくさんあります。わたしもバグを出してしまわないか?出してしまったバグが致命的すぎて会社に大きな迷惑をかけないかと心配することがあります。
SEは製品開発のプレッシャーからメンタル潰れる人もたくさんいます。実際にうつ病を発症し、長期的に休んでしまった人を何人かみてきました。
企業的には、社員が病気になって長期間休むのはデメリットが大きいです。メンタル潰れた人はクビだ!ということもできません。不正解雇になります。
よって、企業はSEをメンタル潰れるほど残業させたり、適正のない仕事を無理やり押し付けるよりは、社員の健康を考えて仕事をさせたほうがメリットが大きいです。
具体的には、
- 異動願いがあれば聞く。
- 休みたいといったら休ませる。
ホワイト企業からすれば、社員を尊重するということのほうが、社員が潰れるまで使うことよりメリットが多いということがわかっているのです。
ゆえに、残業も少ないし、休日出勤もめったにさせない。これがホワイト企業なんです。
ですが、とにかくお金が欲しい!稼ぎたい!という人だと、残業が少なすぎて不満に思うかもしれません。

まとめ
- 休みすぎるぐらいに休暇が多い
- 超低コストな社宅・社員寮
- 保養所が高級リゾートホテル
- 退職金がある
- 健康的、低コストな社員食堂
- 徒歩・自転車でも支給される交通費で実質年収アップ
- 社員の健康第一
ホワイト企業の特徴を一言でまとめるならば、『福利厚生が充実している』ということです。
就職活動、転職活動において、この福利厚生を軽んじている人が一定数いるのですが、かならず確認するようにしましょう。
SEへの就職・転職において、給料・年収を重視している人は多いです。インターネット上の情報サイトや転職サイトを見ていても、
- SEで年収700万円!
- 1,000万円以上も夢じゃない!
みたいなものを見かけることがあります。たしかにうらやましい、夢のような話ですが、相応に現実を見て地に足つけましょう。
年収700万円でも退職金がなかったり、1,000万円以上でも外資系で35歳あたりで切られたり。わたしは年収が500万円程度でも、しっかり退職金がもらえたり、社員食堂がある会社のほうがいいなぁと思います。
SEの就職・転職では、見た目の給料、年収ではなく、実効的な給料、年収を考えたほうが良いです。