わたしはかれこれ10年以上SEをやってきています。あなたは10年目のSEという存在に対してどんなイメージがありますか?
- プロジェクトリーダーができる!
- 仕事をバリバリこなす!早い!
- 品質の高いソフトウェアを作る!
そう思いましたか?…そんなことはありません。知識や技術は若手SEよりはあると思いますが、バグはまだまだたくさん出ますよ。
仕事だって特別早いわけではありません。時には100行程度のプログラムに1日費やすことだってあります。
未だにSE向いてないなぁと思うこともたくさんあるのです。

考えたり悩んだりする時間が長くて仕事が遅い。SE向いてない?どうすればいいのか?
SEで仕事が遅い!の問題
SEに限らないことですが、仕事は遅いよりは早いほうがいいです。
しかし、SEの仕事というのは世間一般の職業と比べればむずかしい仕事です。手を動かす時間より考える時間のほうが長くなることがよくあります。
成果物が出来上がってこなければ仕事が遅いと思われがちです。成果物とは、
- 設計書
- ソースコード
などがあります。こういったものは手を動かさなければ出来上がらないものであり、考えることに時間を使っているといつまでも成果物はできあがりません。
いつまでも成果物ができあがってこなければ仕事が遅いと思われても仕方がありません。下記の記事でも書いていますが、SEの仕事で一番大切なのは『調査』です。
わたしは調査にたくさんの時間を使います。調べたり、どうやったら実現できるのか考えたり。この時間は当然成果物はできません。わたしはたまに上司先輩からこう言われます。

…失礼な!と思う反面、仕事が遅くて申し訳ないなぁと思ってしまいます。
仕事が遅いと周りに迷惑をかけることもあるし、自分に対して自信を失ってしまうことがあります。
やってはいけないのが納期遅延です。仕事が遅くて納期に遅れる、これだけはあってはならないことです。
- いつまでなら、
- 自分はここまで仕事ができる
納期と作業規模を考えて、自分ができる分だけの作業をやるようにしましょう。できなことはできないとはっきりNoと言いましょう。
できなそうなら早めに上司に相談。仕事ができないのは恥ずかしいと思うこともあるかもしれませんが、納期に間に合わなかったら恥ずかしいどころでは済まない事態になります。
なぜ仕事が遅くなってしまうのか?
仕事が早い人、遅い人の差というのは、
- 知識
- 技術
- コミュニケーション
この3点にあると思っています。
知識が豊富であればあるほど調査の時間を短縮することができます。技術が高ければ開発に必要な技術を新たに勉強するということもありません。
コミュニケーション能力については、人に聞く、伝える、ということが上手であれば何度も繰り返し打ち合わせを行う必要もなくなってきます。
わたしは仕事が早いほうではないと思っていますが、やはり仕事が早い人はフットワークが軽いですね。特に人に聞く・伝えるというのが上手に思います。
わたしの場合は、

と悩む事が多いです。悩む時間が、仕事の早い人は短い、あるいは先に身体が動いているイメージです。
SEという職業を選ぶ人はどちらかといえば理系出身の人が多いです。そして理系出身の人の中にはインドア派な人も多いです。
わたしもどちらかといえばインドア派寄りではあるのですがコミュニケーションには問題はないほうです。しかし、ほんの少しためらってしまいますよね。
- 他人の時間を潰したくない
- 無駄な時間を使わせないようにしっかり調べてから話す
そういった遠慮の気持があったりするため、2手3手と遅れを取ってしまいがちです。
仕事のスピードを上げるためには?
仕事のスピードをあげるためには上述したように、
- 知識を増やす
- 技術力を高める
- コミュニケーション能力を高める
ということです。
知識や技術は勉強・経験によってある程度改善します。よほどセンスがないっていう人でない限りは問題ないでしょう。…と言いつつ、どれだけ勉強・経験を積んでもプログラミングがまともにできないSEっていうのがいるんですけどね。センスがないなら早めに見切りをつけてしまったほうが良いです。
問題はコミュニケーション能力です。プログラミング以上にセンスが必要になってきます。
ちなみに、わたし個人としましてはプログラミングのスピードは仕事のスピードにあまり影響は与えないと思っています。
なぜなら、プログラミングは設計さえしっかりしていればプログラミングはあまり考えなくても作ることができるからです。むしろ考えながらプログラミングをしているという時点で設計がちゃんとできていない証拠です。かなり危険な状態であると言えるでしょう。

まとめ
- SEは仕事が遅いと関連するモジュール担当者など、迷惑をかけてしまう。
- 仕事が遅くて納期に間に合わない!ということだけはあってはならない。
- 仕事のスピードをあげるには知識・技術・コミュニケーション、3点を強化する。
- しかし、ある程度センスが必要。
SEの世界は厳しいです。本当の意味で上級のSEになるためには必ずどこかで『才能』の壁にぶつかります。単純作業ではなく常に臨機応変に考えることが必要なお仕事です。誰がやっても同じ結果にはならないものなんです。
センスが必要な仕事だからこそ、それを持っていないと思ったら早めに見切りをつけてしまったほうが良いでしょう。はっきり言って最後の最後までSEとして残れるのはわずか1~2割です。
他は全部リストラ!?と思われるかもしれませんがそういうわけではありません。
- エンジニアのスペシャリスト
- プロジェクトリーダー
- 幹部職
- テスター・サポート・事務
上記の道にそれぞれ進んでいくだけです。よくSEは35歳定年と言われますが、その実態はSEから上に行ったり横に行ったりしているだけでリストラされるわけではありません。
ざんねんながら、テスター・サポート・事務はSEとしての才能がなかった人の道と言えるでしょう。社内でも肩身は狭いほうです。自分にSEとしての才能・センスがないなら早い段階で別の道を目指すのもアリです。