SEの仕事が辛くて転職をしたいとか考える人は多いです。
ですが、こういった相談って同じ職場の人にはしづらいですよね。もし上のほうに漏れたら後戻りできませんし。
相談にのってもらえる人がいたとしても、
- それは逃げだ!
- 甘えだ!
- 勉強不足だ!
- そんなんでは他に行っても同じだ!
などと言われたりします。
そうしてSEをやっていて思いつめているのにどうにも環境を変えられずにうつ病になる。そんな人もいました。
はたして、SEの転職は逃げなのか?甘えなのか?

SEの転職は努力が足りない、逃げ・甘えの姿勢なのか?
1.SEの転職は逃げ・甘えではない
まず最初にわたしが声を大にして言わせていただきたいのが、

SEの仕事はいろんな理由で精神を病んでしまいがちです。
- ミスが許されない環境
- 絶対にミスが含まれてしまうソフトウェア
- ミスできないのにミスが出る矛盾した環境
- ミスをすれば責められる
こんな状況ではうつ病になっても仕方ありません。実際にうつ病になった人を何人も見てきたし、わたしだってうつ病になりそうだと思うことはよくあります。
一度うつ病を発症すると予後が悪いです。一生の付き合いになっている人が多いように思います。何度も何度も長期休暇を繰り返し、どうしても復活できずに辞めていく人もいます。
うつ病を発症した上で退職をする。その後の人生はどうやって生活していけば良いのでしょうか?
SEの転職は逃げとか甘えとか、そんな言葉で縛り付けて人生の選択肢を消去され、うつ病になってしまったら責任取れるのか?

わたしの場合、SEの仕事が本当に辛そうだな、この人は向いてなさそうだな、と思ったら、遠慮なく転職をおすすめすることにしています。なぜなら、その人に『お前には才能ない!』と引導を渡すことも優しさだと思っているからです。
わたしは10年以上SEをやっていますが、才能のあるSEではないと自覚しています。毎日ギリギリ、精一杯やっている状況であり、それでもバグがたくさん出ます。いっそのこと、異業界・異業種に早いうちに転職していれば違う人生を送れたのになぁと思うこともあります。
自分に向いていない仕事を一生続けることほど不幸なことはないです。
2.SEの仕事はむずかしい
仕事ができる人ほど、『転職は逃げ、甘え、勉強不足』ということを言います。
わたしは特別仕事ができないわけではありませんが、それなりに苦しんできているSEですし、多くのSEの相談には乗ってきましたので気持ちはわかっているつもりです。
SEの仕事はむずかしいんです。誰にでもできることではないのです。
- プログラミング
- 最先端のIT技術
- 規格・仕様
理解できる人にとっては呼吸をするようなものかもしれませんが、理解できない人にとってはチンプンカンプンなんです。
これは勉強時間の問題ではなく、どれだけ努力しても理解できない人は理解できない。そういうものなんです。

SE歴10年の人でもプログラミングが全くできませんっていう人、けっこういます。
仕事ができなかったとしても恥じることではないんです。他の業界とかならうまくやれるかもしれないです。
3.仕事が人を選ぶ
上述したようにSEの仕事はむずかしいです。この仕事は人が選ぶものではなく、仕事が人を選ぶのです。
おそらく、あなたは周りの人が仕事のできる人のように見えているかもしれません。ですがそれは少しだけ間違いです。
みんなうまく仕事ができているように見えているだけなんです。どんなに上位のSEだってバグを出しています。しかもたくさん出しています。
仕事のできる人の特徴としては、そういうったミスが発生したときのフォローが上手だというところでしょう。
- バグが出てもうろたえない
- バグが出ることを想定して日程を計画している
- バグが出ること前提で、致命的なバグを出さない工夫をしている
この中でも重要なのがバグが出てもうろたえないということ。つまり、ミスが起こってもケロっとしていることですね。
SEは技術面だけではなく、精神面でも図太い神経が必要な仕事です。
超一級のSEだったのに、うつ病で辞めていったという人もいます。彼は完璧主義者だったのです。ミスは絶対許せないというタイプだと、どんなにスキルがあってもSEは続かないものなのです。逆に、プログラミングが全くできない人でも10年以上残っているひともいるぐらいですからね。
こればかりは努力ではどうにもなりません。それなのに転職するのは逃げとか甘えとか勉強が足りないとか…。そんなこと言う人ほど『にわかSE』であるとわたしは思います。
4.異業種・異業界に転職した人は幸せそうにしている
SEの仕事に嫌気がさして異業種・異業界に転職した人はたくさんいます。
IT業界に入ったらIT業界内で転職するのがセオリーです。なぜなら、キャリアを活かした転職ができるためお給料が下がらない、上がったりすることがあるためです。また、仕事に慣れるのも早いでしょう。そういう面でも精神的な負担は少ないです。
ですが、SEを辞めたいと思う人はSEそのものを辞めたいと思っているんですよね。それなのにアプリのSEはweb系に行くといいかも、なんて言われると、『またSEかよ…』という気持ちになるかもしれません。
わたしの身近ではSEを辞めた人の50%程度は異業種・異業界へ転職していきました。
異業種・異業界への転職というのは大変だと思います。なんせ全く別の業界なので知識ゼロですからね。社会人3年以上だと企業も即戦力を求めてきますが、完全な未経験だと即戦力は不可能。年だけ食っている新入社員みたいなものです。居心地も悪いでしょう。
ですが、わたしの友人たちはみんな例外なく転職は後悔していなかったように見えました。
- SEを辞めたいという気持ちが強かった
- 転職によるストレスを気持ちが上回っていた
とにかくSE辞めたい。辞められるならなんでも耐える。そういう気持ちだったのでしょう。わたしも転職は経験していますが、転職直後というのは慣れない仕事をやったり、人間関係の構築ですごく大変なはずなんですけどね。

転職していった人はだいたいこのようなこと言いますね。なんというか、SEに恨みを持っているような感覚です。なので、SEを辞められてすとてもスッキリした様子でした。

まとめ
- SEを辞める、転職するは逃げ・甘えではない
- SEの仕事はむずかしい
- 仕事が人を選ぶ
- 異業種・異業界へ転職した人は幸せそうにしている
転職っていうとどうしてもネガティブなイメージがありますよね。すぐやめてしまっても良いのか、努力が足りないだけなのでは…など。
あまりにも転職を繰り返していると、さすがのわたしも逃げとか甘えではないかと思ってしまいますが、人生のうち3回までなら全然問題ないと思っています。
仕事は一生ものです。人生の大半を捧げるものです。自分に合わない仕事をするのは不幸でしかありません。
新卒~35歳までは一生の仕事を探すための期間であると割り切ってしまいましょう。周りの意見を取り入れすぎて視野を狭めないように。