SEの仕事はプログラミングをすることで、一日中パソコンに向かってカタカタとキーボードを打っているイメージがあります。
ゆえに、SEに向いている人はパソコンが好きだとかプログラミングが得意だとか、そういった人がSEに向いている人だと思われガチです。
しかし、実際にSEの仕事をやってみるとわかることなのですが、SEはパソコン好き、プログラミングが得意というだけでは務まりません。
わたしは現役のSEでかれこれ10年ほどやってきています。プロジェクトリーダーもやったりして、たくさんの人を使ってきたし、切ることもありました。
そんなことを繰り返してきて見えてきたことがあります。SEに向いている人の特徴。今回はそのお話です。

SEに向いている人の特徴
1.論理的思考ができる
わたしが感じている、SEをやる上で一番大切なのは『論理的思考』ができるかどうかです。
論理的思考とはいったい何か?簡単に説明すると、三段論法です。
三段論法とは?
SEの仕事はプログラミングと思われがちですが、正しくはお客さんが抱えている悩みを解決していくお仕事です。プログラミングはそのための手段です。
問題解決をするには、問題の原因をつきとめたり、切り分けたりしていく必要があるのですが、ここで論理的な思考ができるかどうかが問われます。
- 本当の問題はなにか?
- 問題はどの部分にあるのか?
このように問題を特定していくためにはいろんな仮説を立てて証明していく必要があります。
おそらく多くの人が一度は勉強したことがあると思います。図形の証明問題。角Aが30度、角Bが50度の三角形。残った角Cは100度であることがわかる。証明することができます。
こういった感じで、わずかな手がかりから問題・問題の原因を特定し、解決していくのがSEのお仕事です。論理的思考はSEをやるのに大切な適正の1つです。
2.勉強が苦ではない
SEの仕事は世間一般から見れば高度なスキルが要求されるお仕事です。
だからといってあまり心配になる必要はありません。勉強さえしっかりやっていれば何も怖いことはないのです。
ですが、

という方はSEには不向きです。
というか、社会人になってからも勉強はどこの業界に行っても必要になるはずです。SEの場合は特に、勉強の内容が学問に近いイメージです。
逆に言うと、SEの勉強というのは面白いものが多いです。実際にわたしは勉強が面白いので苦ではないし、資格取得にもつながりました。
勉強することが苦ではない、という人であれば、おそらくすんなりSEに必要なスキルに関する勉強を継続することができるでしょう。
3.好奇心が強い
上述したように、SEはある程度継続して勉強が必要になる職業です。
継続して勉強する、というのは、なかなかできない人も多いです。むしろ、できていない人のほうが多い。これはわたしが長年SEをやってきて感じていることです。
- 勉強をするSE
- 勉強をしないSE
両者の違いはいったいなんなのか?それは、IT関連の技術的な話に興味があるか?好奇心が強いかどうかである、ということです。
プライベートの時間を使ってまで仕事のための勉強なんてしたくない、と思う人は多いでしょう。そういう方は勉強をしないSEであることが多いです。勉強したとしてもイヤイヤやっている、というケース。
ですが、勉強をするSEというのは好きで勉強しているという人が多いです。プライベートの時間を使って、趣味として勉強をする。これが勉強を継続できるSEです。
好奇心が強い、特に、ITの技術に対して強い好奇心を持っている人ならば、SEは適任であると言えます。
4.向上心がある
SEはできれば向上心を持っている人のほうが向いています。
なぜかというと、SEは客先常駐の派遣SEとかでない限り、プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャ・幹部職といった出世コースを歩む…歩まされることになります。
リアルなIT業界の裏話をしますと、

これが本音なんです。
たとえば、SE1人ができる仕事を100とします。どんなにがんばっても100以上の仕事はこなせません。
しかし、リーダー1人いれば、SEを10人、20人と動かすことができます。こなせる仕事も1,000、2,000となっていきます。
最近では開発職が、安い賃金であるSIerに勤めている派遣SEを雇ったり、海外労働者に流れている傾向があります。
オフショア開発
つまり、企業が利益を大きく伸ばすためにプロジェクトリーダーといった管理職が欲しいのです。そして、正社員として雇ったSEはすべからくプロジェクトリーダーにさせたがっています。
もちろん、プロジェクトリーダーになりたくない人もいるし、なりたいのになれない人もいます。プロジェクトリーダーになれなくても技術のスペシャリストという道もあるので大きな問題ではないです。正社員の強みですね。
ですが、企業がリーダーを欲しがる以上、できることなら目指したほうが望ましいです。その分給料も大幅に上がりますので。SEはたまにですが給料・年収が高いという話を聞くことがあります。これはプロジェクトリーダーの年収も平均値に含めているためなんです。
プロジェクトリーダーというと責任感が重く感じますが、要は仕事内容が開発から作業指示にシフトするだけのことです。
また、『絶対出世してやる!』と息巻く人もいるかもしれませんが、はっきり言ってよほどのことがない限りほぼ全員が出世コースに一度は乗ることになるでしょう。むずかしく考えず、気楽に考えておいてください。
5.自己管理ができる
SEの仕事はプログラミング、開発が仕事というイメージがあると思いますが、それだけではありません。どんな仕事でも同じですが、仕事を進めていく上で大切なのは、
- 日程管理
- 時間管理
といった、管理作業です。自分自身でこういったことをすべて管理、コントロールできなければいけません。
時間にルーズだったりすると、最初に計画した日程がずるずると遅れることになり、他人にも迷惑をかけてしまいます。
わたしは学生時代、ある意味時間にルーズな人間でした。どのようにルーズだったかというと、約束の時間に遅れたくないから30分前に目的地に行く、みたいな。早ければいいというものでもないんですよね。仕事だったら30分も空き時間ができてしまうことにもなります。
SEは実体のないソフトウェアを作る仕事なので、作業規模や作業の進捗が見えづらいのです。たとえば、言えとかだったら柱建てたら○%、屋根ができたら○%ってはっきり見えますからね。

納期ギリギリで慌てたり、低品質な製品を納品してしまったりすることがあります。
たとえるなら、SEの仕事は、夏休みの宿題を計画立てて、計画通りに進められた人が向いている、と言えます。
6.健康に自信がある
SEはたびたびブラックだと言われることがあります。それは真実でもありウソでもあります。
SEの仕事がブラックであると言われる理由の1つは、全く予想していないタイミングで突発的に残業や休日出勤が発生することです。
一ヶ月間ずっと定時退社をしていても、翌月は毎日22時に帰宅する、なんていうこともあります。

わたしは今までに徹夜とかはないのですが、それでも生活リズムは崩れやすいと感じています。ここで言う生活リズムとは睡眠時間が削れるとかいう話ではなく、夕食の時間が変わってしまう、という程度のものです。
また、突発的に発生した残業、休日出勤というのは、たいてい緊急で対応しなければならない仕事になります。よって、体調が悪いとかで休むことができなかったり、休むのが大変申し訳無い気持ちになります。
どんな仕事でも同じですが、どうしても休めない時ってありますよね。身体が強い、健康に自信がある、という人はSEに向いています。
7.コミュニケーション能力が高い
SEはパソコンに一日中向かっていて人と会話をしなさそうなイメージがあるかもしれませんが、意外と人と接する機会はあります。
- お客さんの要求を聞く
- 自分が作った資料をレビューしてもらう
などなど。聞く、伝える能力が必要になってきます。
なんとなく想像ができるかもしれませんが、SEというのはどちらかというと…ちょっと言い方は悪いのですが、『パソコンオタク』が多いです。さらに毒吐きますが、パソコンオタクはインドア派・陰キャラが多かったりします。ゆえに、コミュニケーション能力が得意ではない人が多いです。それでも仕事が成立しているという事実。
これは逆に言うと、SEはコミュニケーション能力がなくてもできる仕事、とも言えます。多くのwebサイトでは高いコミュニケーション能力が必須と言われていますが、実はなくても大丈夫なんです。まぁ不利ではありますが。
だからこそ、コミュニケーション能力が高い人は重宝されます。プロジェクトリーダーといった管理職に進むためには特に必要とされる能力です。
コミュニケーションに自信のある方はSEに必要な適正の1つを持っていると言えるでしょう。

まとめ
SEに向いている人の特徴は下記の通りです。
- 論理的思考ができる
- 勉強が苦ではない
- 好奇心が強い
- 向上心がある
- 自己管理ができる
- 健康に自信がある
- コミュニケーション能力が高い
いかがでしょうか?あなたは適正、ありそうでしょうか?
さて、ここまでで気づいたかもしれませんが、SEに向いている人の特徴に『プログラミングが得意』というものはありません。
断言しますが、これからSEになろう、やってみたい、未経験だ!という方でも、SEはできます。プログラミングができなくても、今まで勉強したことがなくても、SEになれるんです。
たしかに、プログラミングといった情報処理を専攻してきた学生は就職に有利ですが、学生時代に学んだプログラミングは机の上だけの話であり、実践レベルではないんです。仕事で必要になるのは『活きたプログラミング』なんです。
活きたプログラミングというのは実践の中でしか培うことができないものです。
プログラミングができなくても問題はありません。なので、今回書いたような特徴を持っているかどうか、そちらを意識してみてください。