『SE辞めてよかった』
SEをやっていると転職を考える機会が一度や二度、いや、それ以上にあります。
- SEの仕事が性に合わない
- IT関係のことが嫌いだ
そんな理由でSEを辞めてしまった人たちがわたしの周りにも何人かいました。
わたしの経験上、SEはIT業界を辞めて異業種・異業界に転職するとだいたい失敗します。ですが、その反対で成功するケースもちゃんとあります。
今回はわたしの友人で、SEを辞めて異業種・異業界へ転職し、言葉の通り『SE辞めてよかった』と言っている人の体験談です。

SEを辞めて、異業種・異業界転職してよかった体験談
1人目:体育会系出身の人がSEを辞めて自動車の販売の仕事に転職
SEになる人は割りとインドア派が多いとわたしは感じています。パソコンを一日中触っているようなお仕事なので、やはりどちらかというとパソコンが好きだ、という人が志望する職業だからでしょう。
わたしの友人に体育会系出身の人がいたのですが、そういう人にはSEという職業が性格に合わなかったようです。
- 一日中パソコンに向かっているのが辛い
- プログラミングとか、考える仕事が苦痛
彼は常々、

と言っていたのを覚えています。それだけSEの仕事がストレスだったのでしょう。ちなみに実際にはフサフサのままでした。
体育会系だからというか、身体も大きく、他のSEたちと比較するとかなり浮いた存在でしたね。オタクグループの中に1人ラッパーみたいのが混ざっている、というぐらい浮いてました。
- 環境が合わない
- 人が合わない
- 仕事が合わない
彼は完全にジョブのミスマッチでした。それは第三者から見てもすぐにわかるぐらいに。
わたしは彼にこうアドバイスしました。

結局、彼は1年もたたずにSEを辞めました。その後、車好きだったことから異業種・異業界である車の販売の仕事に転職しました。
たまに彼とは連絡を取りますが、

と言います。まぁわたしは不満はいろいろありますがSEに満足している面もありますので続けますが、SEを辞めてよかったと充実した日々を送っているようで良かったです。
2人目:文系出身の人がSEを辞めて事務職に転職
SEの適正を持った人はどちらかというと理系出身の人が多いです。文系出身の人だと、たまに適正がないなぁ、と感じる人を見かけます。
文系出身の人がSEの適正がないという理由の1つに、『論理的に物事を考えることが苦手』というのが挙げられます。
論理的な思考とは、たとえば三段論法です。
- AはBである。
- BはCである。
- よって、AはCである。
物事をしっかり順序立てて、小さなヒントから答えを導き出す、証明することができるか?これがSEの適正であり、論理的な思考になります。『図形の証明』問題が得意という人は上記の考え方ができる傾向にあり、数学が割りと得意な人が理系に多いため、理系の人に適正がある割合が高いということです。
わたしの友人で文系出身でSEになった人がいます。彼はわたしの同期でした。
会社に入ると研修で1~2週間くらいはプログラミングを教えてもらえたりします。その最初の研修で、プログラミングを習得できる人、できない人、不思議なことにハッキリ分かれるんですよね。
文系出身だった彼はどうも論理的な思考というものが苦手で、プログラミングを習得することができませんでした。
その後、1年ちょっとSEを続けていくのですが…
- プログラミングができない。
- 物を作れない。
- 人のプログラムを理解できない。
- 仕事がわからない、ついていけない。
彼は毎日毎日すごくプログラムの勉強をがんばっていました。わたしは彼と仲が良かったので、マンツーマンでプログラミングを教えていたこともあります。ときには休日を返上してカフェで一緒に勉強したり。
それでも、彼は全くプログラミングを習得できなかったのです。プログラミングの『プ』も理解できていませんでした。
- プログラミングはできなくてもSEになれる。
- しかし、プログラミングを習得できるかどうかはある程度『センス』が必要になる。
- センスがないと、どれだけ勉強してのプログラミングはできない。
わたしはこの経験から、SEには誰でもなれるけど、プログラミングは誰もができることではない、『なれる』と『やれる』は全く別なんだと知りました。
- SEをやりたい!
- そして実際にがんばっている!
- でも適正がない…。
彼はプログラミングができない自分をしっかり受け入れ、そして転職していきました。もともと文系だったおかげか、資格も持っていたので異業種・異業界へ転職、ファイナンシャルプランナーになりました。

最後の一言が余計だ。そんなことがわたしは今でも心に残っています。まぁその時わたしは弱小なSIerに勤めていましたので仕方ありませんね。
彼はもともと資格を持っていたし、資格が必要・重宝される職業に就いたので良い年収をもらえたのでしょう。
3人目:残業が多すぎるという理由からSEを辞めてショップ運営
わたしの友人で、高校時代からパソコンが好きで、大学も情報処理を専攻。プログラミングも学生時代にバリバリこなしてきた人がいます。
SEとしての適正もあるし仕事が嫌いになるような要素もない。そんな人でもSEを辞めたいと思うことがあったようです。
どんなに好きでも、適正があっても、労働条件が悪ければSEという職業は続かないのです。
彼はSEとしての適正があった…ありすぎたのかもしれません。新人のころから期待も大きかったし、戦力として扱われてきました。
普通、SEの新人、1年目なんて戦力として期待なんてされません。わたしだけでしょうか?わたしがプログラミングやらせてもらえたのはSEをはじめてから3年目のことでしたけどね。
彼は新人からいきなり、残業と休日出勤ばかりやっていました。わたしは戦力にならない新人で毎日定時退社、残業している人を見て、

とか考えていました。
しかし、彼はこのときかなり思い悩んでいたようです。
はたから見れば仕事をバリバリこなしている期待の新人って感じだったのですが、

と言っていました。毎日22時まで残業し、帰宅。寝て起きたらまた出社。そんな生活でした。完全に『働く機械』になっていました。
そして、SEとして働き始めてから2年ほど経過したとき、

といって辞めていきました。そして、異業種・異業界ではありますが趣味のゲームに関わる、ゲームショップを開業しました。
最初は苦戦していたようですが、独自の差別化(遊べて食べれるお店)した結果、10年以上経過した今でも続けられています。

と言っています。

まとめ
- SEの適正がない人は無理にSEを続けるより転職したほうがいい。
- 適正以前にIT業界への嗜好がなければ辞めて転職したほうがいい。
- 労働条件が悪いと理由からSEを辞める人もいる。
『SEを辞めてよかった』と言っている人に共通して言えることは、SEとしてのキャリアが浅かった、というのが挙げられます。
何が言いたいかと言うと、SE・IT業界を完全に辞めるような転職は社会人3年未満まで、ということです。これ以上、社会人としての経験を積んでしまうと、転職成功率はぐっと下がります。
その理由は、企業はある程度の年齢の人には即戦力を求めるためです。個人的には『ゼロからスタートさせてください!』と思っているかもしれませんが、企業は社員を管理職にさせていきたいと考えています。
管理職になるためのキャリアプランを考えた時、それなりの年齢をした人を新卒と同じスタートラインに置くと、管理職にさせるためのキャリアプランが描けないんです。
SE自体を辞めたいなら、SEを辞めてよかったと思いたいなら、できるだけ早い段階で行動しましょう。