わたしはSE歴10年の現役SEです。今までにたくさんSEを見てきました。
その中には、異業種からIT業界へ転職してきた人や、大学や専門学校でコンピュータ関係のことを全く勉強してこなかった人たちもたくさんいます。
今回はコンピュータとかプログラミングは全くわからないけど、IT業界で仕事してみたいな、と思う人たちに向けた記事です。
大学や専門学校でプログラミングとかを勉強していれば、だいたいどんな感じの仕事か想像できますが、全く違う業界だったり大学出身だと、

という不安があるでしょう。入ってみたけど適正なかった、では済まされない話です。
なので、今回は現役のSEが、こういう人はSEに向いてないぞ、というお話をさせていただきます。

SEに向いていない人の特徴
1.効率を考えない
SEという職種…いや、人種はほぼすべての人が『効率厨』です。いつも作業効率のことばかり考えています。
作業をなんでもかんでも自動化したり、ちょこっとした作業をプログラムで半自動にさせたりします。
なんの疑問も持たずに、

なんて考えていると、他の人たちに比べると仕事ができない人、ということになりがちです。
ちなみにわたしは、

といつも考えています。これがSEの思考なんです。
2.パソコンが満足に使えない
SEを長年やってきていますが、実はパソコンが満足に使えないSEもたくさん見かけます。
メッチャクチャ驚いたのが、『タイピングすらできない』というアホな派遣SEもいました。打ち合わせの議事録すら取れないんですよ。そのくせ態度だけは一人前だったなぁ…。
SEはプログラミングだけをしているわけではありません。エクセルやワードを使って資料作成をすることも多いです。
- タイピング
- エクセル・ワードといったOffice
- 一般的なパソコンの操作
これぐらいは一般常識みたいなものです。SEに向いている、向いていない、それ以前にこれができないと現代社会では通用しないでしょう。
3.できない理由ばかり探している
SEという仕事はやはりどちらかというと高度なスキルが要求される仕事です。
それゆえに、スキルが足りない人だったりすると、

これの意味は、スキル不足でできません、という意味ではなく、技術的に実現不可能です、と言いたいんです。本人的にはね。
できない理由をしっかり説明するのですが…それってはっきり言って時間の無駄です。
SEの仕事はプログラミングではなく、お客さんの抱える悩みの問題解決です。『できません』といったら仕事になりません。利益を出していくために『できる方法』を考えなければなりません。
わたしは過去に、チームメンバーから『機能追加が実現できない理由』というものをプレゼンされたことがあります。なんとその資料作成に費やした時間は4人日…。
[st-kaiwa3]…ちょ、…おま、4人日も使うなら『できる方法』考えてこいよ…。[/st-kaiwa3]
4.コミュニケーションが苦手
SEの仕事はプログラミングと思っている人は多いでしょう。ですが実際にはお客さんが抱える問題の解決が仕事です。
そのためにはお客さんからしっかり要求・要望を聞き出さなければなりません。つまり、コミュニケーション能力がある程度は必要というわけです。
ただし、販売や営業の仕事ほどコミュニケーション能力は必要ないし、SEには理系出身のオタクみたいな人も多く、コミュニケーション能力が低い人は多いです。まぁその程度のコミュニケーション能力でやっていける、ということですね。苦労は耐えませんが。
コミュンケーションはお客さんとのやり取りだけではなく、社内でも発生します。上司に進捗の報告をしたりするなど。
常にパソコンに向かっているからコミュニケーションは必要ないと思われるかもしれませんが、それは間違いです。

という考えがあればそれは間違いなのでやめておきましょう。ただ、他の職業と比べれば求められるコミュニケーション能力のレベルは低いほうだと思います。コミュ障みたいな人でもSEやってますしね。
5.チェックが甘い
SEという職業は常にバグとの戦いです。そしてこのバグを産まないためには、
- チェックする
- とにかくチェックする
- 同じことをやっているけどもう一回チェックする
わたしは2重、3重にチェックしています。…ですが、それでもバグは発生するんです。

こう思った時はたいていダメです。ここでとても大切なSEあるあるです。

ということがよくあります。(本当は何かやらかしているのですが)
自分に厳しく、時間がなくてもチェックだけは怠らない。そういう人じゃないとSEは向いていないでしょう。
6.納期の大切さをわかってない
SEにとっての納期というのは品質よりも大切なものだったりすることがあります。
わたしのSEの友人の話を聞いていると、バグっているけど納品した、なんて話をよく聞きます。

ITにはそんなことがよくあるんです。
たいていそういう場合は『制限付き』という名目で納品したりします。
とにかくSEにとってはそれだけ納期というものは守らなければならないのです。
今の時代では聞くことは少なくなりましたが、納期に間に合わせるために残業はもちろん、休日出勤をすることはあります。場合によっては徹夜することも…。
たしかに最近は『働き方改革』とか言って作業負荷が減りました。ですがそれを当然だと思って休日出勤や徹夜を拒んだりがんばれなかったりするという人にはSEは向かないでしょう。たぶんIT業界入ってもいずれ辞めることになると思います。
どんな仕事でも同じことですが、やっぱりどこかで必ず守らなければならない何かってあるものです。
7.探究心がない
ITの世界は日進月歩です。
コンピュータは日々進化するし、その技術についても進化します。
とくにプログラミング言語なんてもう何種類あるのかわからないってぐらいあります。1つの言語だけ習得して、それだけで一生飯を食って行けるなんてことは100%ありえません。
すべてを習得する必要はありませんが、業務に必要な知識はオフの時間を使ってでも勉強しなければならない時があります。
勉強時間をサービス残業として捉えるのか、それとも自己啓発として捉えるのか。このどちらかで大きくSEに対してい向き不向きが分かれます。
当然ですが、ITに関する勉強時間を自己啓発、自分への投資として受け入れられなければ、いずれは淘汰されてしまうでしょう。
ちなみに、勉強のための書籍代ぐらいだったら会社は負担してくれると思います。
8.地味で細かい作業が苦手
上述したチェックの項目とかぶるところがありますが、SEの仕事はプログラミングばかりではありません。
作ったプログラムをテストするという工程があります。
このテストという作業が大変で、テスト件数がたくさんあるというのはもちろんのこと、微妙にテスト環境を変えてみたりと面倒なことがすごく多いです。
この細かい作業が苦手で、

と思ったりすると、たいていバグが出ます。
自分に甘く、何かしら言い訳を考えて楽しようとする人はSEに向かないでしょう。
9.ITに興味ない
ハッキリ言ってこれは論外なのですが、SEになりたい、なってみたけどIT業界に興味がないって人もいます。
要は、
- SEという肩書に憧れている
- SEは人材不足で仕事に困らない
- SEは給料が良さそう
- SEってなんとなくインテリ系
憧れとできることは全く別です。会社に入って仕事をしていけばコンピュータに詳しくなれる、スキル習得できる、という考えは甘いです。
SEという職種はどちらかというと、プログラミングを始めとする高度なスキルが要求される仕事です。
わたしは10年SEをやってきていますが、
- プログラミングが習得できずに辞めてしまった人
- プログラミングすらできないのに残る、居場所がなくて辛そうにしてる人
いろいろ見てきました。こういう人はけっこう地獄見てます。
上述したように、SEにはそれなりの探究心みたいなものが必要で、自ら勉強する、スキル習得するという意欲がないとSEには向かないでしょう。
10.年齢が35歳を超えている
最後に、SEに向かない人の素質とかではなく、年齢といった物理的なお話です。
SEという職業はすべからく全員が、
- プロジェクトリーダー
- プロジェクトマネージャ
- 幹部職
というキャリアプランを描くことになります。ですが、35歳を超えてからの転職となると、そういったキャリアプランが描けなくなるため、SEには向かない…というかSEにはなれないでしょう。
しかもこれが未経験だったらなおさらです。もし入れた会社があったとしたら、それは『誰でも採用する、人材なんて誰でも良い、ブラック企業』である可能性が高いです。
ざんねんながら、35歳を超えてしまっている人は、SEではない人もSEな人も、転職は考えずに社内で生き残っていく方法を考えたほうが効率的です。
逆に言うと、転職には確実に締切となる年齢(30歳~35歳)があります。その年齢に達するまでに『一生の仕事』を見つけましょう。

まとめ
- 効率を考えない
- パソコンを満足に扱えない
- できない理由ばかり探している
- コミュニケーションが苦手
- チェックが甘い
- 納期の大切さがわかっていない
- 探究心がない
- 地味で細かい作業が苦手
- ITに興味ない
- 年齢が35歳超えている
以上がSEに向いていない人の特徴です。当てはまるものが多いほどSEには向かないでしょう。でも、1つ2つくらいは誰にでも当てはまるものはあるかもしれません。
ちなみに、ここに書いたようなことはSEに限らず、一般的な社会でも同じことが言えるでしょう。
たとえば『納期の大切さがわかっていない』とか。社会人ならば時間にルーズってのは許されません。たまに平気で遅刻してくる人もいますが、もし会社の経営が悪くなった時、真っ先に切られる候補となるでしょう。
最近ではフレックス出社を導入している会社も多いですが、これは遅刻してもいいよ、という制度じゃありません。家が会社に近いという人ならば、使う必要のない制度です。なのに、フレックスを使う人が多くいる。
結論としては、『仕事に対して真摯に向きあう』、こういう人であればSEだろうがどんな仕事でもうまくやっていけるでしょう。