SEのお仕事には常にトラブルがつきものです。
SEの仕事は基本的には単純な作業ではなく、頭を使って考え、状況によってやり方を変えていきます。
ルーチンワークではないため、いろいろとミスが混ざりやすいのです。
つまり、SEの仕事はミス・間違いがつきもので、それによてトラブルがしょっちゅう起こる、ということ。
そんなお仕事ですので、SEの仕事に向き・不向きがあります。
トラブルありきの仕事ですので、真正面から向き合っていると自分が潰れてしまうかもしれない…。
今回はSEに向いていない人の性格について書かせていただきます。

SEに向いていない人の性格
1.完璧主義
SEの仕事は主にソフトウェア開発です。お客さんが抱える問題をプログラムを作って解決させていくお仕事です。
設計やプログラミングといった工程を経てお客さんにシステム・ソフトウェアを提供するのですが、ソフトウェア開発はルーチンワークではなく、お客さんの要望に合わせて毎回ほぼゼロからスタートするクリエイティブな仕事です。
聞こえは良いのですが、毎回決まった型が存在しないため、ミス・間違いが入り込みやすい仕事です。
これはどんなSEでも思っていることなのですが、

バグのないソフトウェアなんて存在しない。一見バグがなさそうなものでも、バグが見つかっていないだけです。
こんな名言があります。

なんだかクズっぽい名言ですが、これがIT業界の裏側というか真実です。
バグの発生は仕方がないものだとしても、発生すると責められることも多々あります。その結果、『バグは出してはいけないものなんだ…』と思うようになります。
- バグを出してはいけない
- しかしバグが出るのは必然
この矛盾のせいでSEはうつ病に追い込まれる人が多いです。バグをゼロにしたいと思うような完璧主義な人ほどSEには向かないでしょう。
バグの発生は仕方がない、と割り切って仕事ができるような人にならなければいけません。
2.断れない
SEの仕事はお客さんから要望をいただいて、それをソフトウェアという形にしていくお仕事です。
プロジェクト開始時に、お客さんから要望をすべて聞くわけですが、ほぼ100%に近いぐらいの確率ですべての要望が出てきていないのです。
これはお客さん自身が気づかなかったこともありますし、わたし、SE自身も言葉の裏に隠された仕様を見抜けていないということもあります。
でもどうしても必要な要望・仕様であったりするため、お客さんはだいたい開発途中にこう言います。

こうなると、それは機能追加で開発費用を負担してくれるのか?こちらの考慮漏れ、落ち度があって開発費用を負担するのか?とにかく面倒なことになっていきます。
お客さんから、

というように言われることがあります。ここで押しが弱い人だと、

と、その場で引き受けてしまう。しかも開発費はこちら負担で。
このように、立場の強い人からの要求に対して『断れない』という人はSEには不向きです。
たとえお客さんという上の立場にいる人でも、しっかりNoと言える勇気を持たなければいけません。
または、Noと言わなくても、『この話は一旦自社に持ち帰ります。後日ご連絡させていただきます。』と言うべきです。
3.劣等感を感じやすい
SEという仕事は常にお客様と一緒に仕事をしていきます。まぁどんなビジネスでも同じですけどね。
SEは他の業界と比較しても特別おかしなところがあるのですが、『多重請負』構造です。
- 大手の企業が仕事を発注
- それが大手SIerが請負
- 子・孫・ひ孫…という流れで発注・請負していく
SEはほとんどの場合、どこの会社に所属しても上がいます。
特に多いのが、SEは派遣社員みたいに扱われることが本当に多いです。わたしの体感ですが、1つのプロジェクトチームに半分ぐらいは派遣社員がいます。
やっかいなことにこの派遣社員、登録制の派遣社員ではなく、正社員として他者に派遣されるんです。
正社員を取引先企業に派遣させて稼ぐ、人売りの会社です。SI企業に多い形態ですね。
派遣先の社員と全く同じ仕事をしているのに、年収を比較すると100万円ぐらい違うし、出ている大学だって優秀だったりします。劣等感を感じずにはいられません。
わたしもSIerに就職し、派遣のSEを数年間続けていました。SEを続ければ続けるほど、卑屈になっていく自分がそこにいたのです。
こういう場合は開き直って、

ちなみに、わたしは派遣SEとして大手企業に派遣されたこともあります。転職活動時には派遣といえども大手企業で働いた実務経験があるというところを評価され、年収400万円から600万円に上がりました。
4.単純ミスが多い
SEの仕事はミスがつきまとうお仕事です。わたしはバグ・不具合を出したことがないなんて人は今までに一人も見たことがありません。
ミスがつきものの仕事ですが、もともとミスが多い人はSEには向いていません。
ただでさえミスが多い仕事なのに、さらにミスが増えるなんて…仕事が回らなくなりますし、開発といった仕事ももらえなくなるでしょう。
ですが、この単純ミスは訓練しだいでは減らすことが可能です。
面倒なのですが、とにかく何度も何度もチェックを繰り返すことです。ときには重複するようなチェックですらやるんです。
なぜなら、ソフトウェア開発は、

ということがよく起こるからです。(本当は何かやらかしているのですけどね)
わたしの場合は小声ですが、声出しをしながら確認作業をするといった工夫をしています。
…おかしな人だと思いましたか?大丈夫、SEは独り言をぼやきながらプログラミングしている人、多いです。
5.時間にルーズ
SEにとって何が一番大切かというと、『納期』です。この納期というものを軽んじている人が常に一定数います。
納期に遅れるということは、お客さんがその製品を必要とする時期を逃すということであり、納期を過ぎてからの納品は『もう必要なくなった製品』だったりすることがあります。
納期を過ぎるということは製品の価値がゼロになるかもしれない…。それぐらい納期を守るということは大切なことです。

ところが、SEってのは変わり者が多く、時間にルーズな人が多いです。

って時でものんびりしていたりする人もいます。仕事残っているのに平然と定時退社する人もいます。おいおい、SEは残業満載のブラックじゃなかったのかい?とツッコミたくなるほどです。
日程にルーズ、日程感覚をつかめない人というのはSEに不向きです。日程管理はいずれプロジェクトリーダーやマネージャになる上でも大切なスキルとなります。
日程管理スキルは管理職だけが必要なスキルではありません。SEに限らず、社会人であれば誰でも必要なスキルです。
"]6.残業・休日出勤したくない

すみません。いきなりブラック企業っぽいこと言ってしまって…。でもちゃんと聞いてほしい。
SEの仕事は未来を予測しきれない事が多く、バグといったトラブルの発生で突発的に残業や休日出勤が必要になることがあります。
上述したように、SEにとって納期というのはとても大切なものです。納期を守るためには残業しますし、時には休日出勤もします。
はたして、これはブラック企業なのでしょうか?いいえ、これは社会人として当然の責任の範囲内のことです。
SEに限らず、一般的な会社員は会社に自分の時間を売ってお金をもらっているわけではありません。あくまでも、製品を作ってお客さんに価値を提供しているからこそお金がもらえているのです。
SEならば残業や休日出勤はある程度しかたのないことです。他の業界と比べれば突発的な残業・休日出勤の割合は多いかもしれません。
残業・休日出勤するなんてブラック企業だ!と思うなら、SEになるのはやめておいたほうがいいです。
ただし、こういった突発的な残業・休日出勤はある程度防ぐことができます。
自分の技術力や日程管理スキルを高め、予想外のことが起こらないよう未然に防ぐということです。
SEの中には毎日定時退社をする人もいれば、いつも夜22時まで残っている人もいます。こういった人たちの違いというのは、『予想外の事態が起こらないようにしている』ということなんです。
7.一人で抱え込んでしまう
SEの仕事というのは基本的には1人ではできません。ほとんどの場合でプロジェクトチームを結成して進めていきます。
SEという人種はどちらかというと職人気質です。おのれの技術力の高さをアピールしたいという人も多いでしょう。
しかしその逆で、『自分にスキルがない』ということを隠したがる人が多いです。
その結果、
- 本当はわからないことなのに、知ったかしてテキトーなことを答えてしまう。
- 本当はできないことなのに、『できます!』と答えてしまう。
わからないことはわからない、できないことはできない、はっきりそう答えるべきです。
そのように答えることができず、一人で抱え込んでしまうような人はSEには向かないでしょう。
たしかにわからない、できない、と言うと、評価が下がるかもしれません。ですが、変なプライドを持ってテキトーな仕事をすると、バグが入ってしまったり設計ミスがあったり、後で余計に大変なことになります。
どんな上級のSEだって、わからないこと、できないことはあります。そういったことは自主的に勉強するとして、はっきり伝える勇気を持つべきです。

まとめ
SEに向かない性格の人は下記の通りです。
- 完璧主義
- 断れない
- 劣等感を感じやすい
- 単純ミスが多い
- 残業・休日出勤したくない
- 一人で抱え込んでしまう
SEに向かない性格というものを列挙してみました。
SEに向かない性格なのにSEをやろうとすると、最悪の場合はうつ病といった精神的な病気になる可能性もあります。
わたしが言えることは、SE向きの性格じゃない人はSEやるな、ではなく、克服する方法を学んでおいてね、ということです。一応、記事の中には解決方法も書いています。
今回列挙したことは、別にSEに限った話ではないと思います。他の職種でもある程度は同じことが言えるでしょう。
なので、SEに不向きな性格だった、と思っても、他の職種に行っても同じ結果かもしれません。大切なのはどういう人が不向きな性格で、どうやって克服するか、ということです。
参考にしていただければと思います。