わたしは10年以上SEという仕事を続けております。
その10年の中には『SE 向いてない』と感じることが何度もありました。
きっとSEをやっている人の中には、わたしと同じようにSEに向いてないかもしれないと思うことが1度や2度、いや10回以上はあったのではないでしょうか?むしろ毎日思っている?
今回はそんな『SE 向いてない』と思ってしまう瞬間について書かせていただきます。

SE向いてない!と思ってしまう瞬間
1.仕様漏れによるバグを発見した時
わたしの経験上、SEに向いていないかもしれない、と思う瞬間で一番多いのはバグ発見時でした。
バグにはどの工程で入ったのかが重要ですが、設計段階で入ったバグか、コーディング段階だ入ったバグかで重さが全くことなります。
重症なのは当然ながら設計段階で入ったバグ。こういうバグはほとんどの場合でわりと規模の大きい修正が必要になってきますし、設計やり直し、テストやり直しになり日程に影響を与えてきます。
このように重たいバグを出してしまうと、

と自己嫌悪に陥ります。
ある程度体制がしっかりした企業であれば、バグの原因分析をやらされるでしょう。
その理由が、
- 気づかなかった
- 見落としていた
- 忘れていた
どうにもキレイな言い訳ができないんです。あきらかに、

と思われるような理由しか並べられない。毎度のことながらヘコみますね。
2.コーディングによるバグを発見した時
2番目もやっぱり同じくバグによるものです。
コーディングによるバグを発見したとき、SEに向いていないかもしれないと思うことがあります。
ですが、コーディングによるバグの場合はたいていの場合、バグの重要度は重たくはないことが多いです。
ちょっとしたロジックのミスやスペルミスみたいなものだったり。手戻りも少なく日程に影響を与える可能性は低いです。それでも発見する段階が遅かったり、テストで発見できずにリリース後にお客さんに発見されたりすると…うつになります。
SEはプログラミングができてなんぼの職業。そんなプログラミングでショボイ間違いをしていると、

と思ってしまうことがあります。いつか、もっと大きな間違いをしてしまうかもしれないと不安になるのです。
3.他の人の会話についていけてない時
SEは常にパソコンに向かって仕事をしているイメージがあると思いますが、実際にSEをやっている人ならわかるでしょう、SEはしょっちゅう打ち合わせしている、ということを。
どんな打ち合わせかというと、
- どういう仕様にするか?
- この設計で間違いはないか?
といった仕様決め、レビューの打ち合わせです。
そんなしょっちゅうやっている打ち合わせ、時には話についていけないこともあります。



…自信なくします。
こういうときに無理に知ったかしてテキトーな回答をすると、だいたい後で痛い目見るんですよね。恥を忍んで、

と言う勇気が必要です。でも、自分の担当範囲すら完璧に把握できない自分はSE向いていないのでは、と思ってしまうのです。
4.仕事の進み具合が遅い時
SEの仕事にはいろいろあります。上流工程なら設計、下流工程ならプログラミングやテスト。
わたしは上流から下流まで、すべての工程の仕事をやっていますが、どの工程においても仕事がさくさく進むときと進みにくい時があります。
仕事の進みが遅い時、というのは、
- どんな設計にすればいいんだろう?
- どうプログラムを書くのが効率いいだろうか?
- バグが出にくいコードにするには…?
といろいろと悩んでしまう時です。
悩むことにばかり時間がかかってしまう。

1日かけてこれっぽっちしか仕事できなかったの?自分、SE向いてないんじゃない?と思う瞬間です。
5.部署・プロジェクトを転々とさせられた時
あなたの身近にもいませんか?コロコロと部署・プロジェクトを異動する人。
頻繁に部署・プロジェクトを異動させられている人というのは、ざんねんながら高い確率で『仕事ができない人』です。
- こっちでは使えなかったからあっち
- あっちで使えなかったからそっち
こんな感じで部署・プロジェクトをころころと移動させられていきます。逆に言うと、ある程度仕事のできる人は1つのプロジェクトに長く居座り続けていたりします。この仕事はこの人にしかできない、みたいな。
わたしはSIer企業につとめていたことがあり、派遣社員としていくつかの企業を転々としてきた経験があります。
一時期、2~3ヶ月のペースで派遣先が変わるということもありました。
派遣されてから2~3ヶ月って試用期間なんですよ。その期間でこの人使える使えないを判断する、みたいな。
派遣先企業を転々としていると、

と思ってしまいます。どこにも自分の居場所がない…将来が不安になるのです。

SEに向いてないかも、と思うことの根本原因
基本的に根本的な原因は1つです。
- 『仕事がうまくいってない』
バグが出たり、周りの人の話についていけてなかったり、すべては仕事でうまくいっていないことが原因です。
仕事がうまくいかない理由については、スキル不足であったり、会社自体がむずかしい業務内容である、というパターンがあります。
スキル不足であれば補うことは可能です。わたしがおすすめするのはIPAの情報処理試験を取得することです。
人はよく情報処理試験なんて意味ないなんて言いますがそんなことはありません。基礎的な知識をしっかり固めておけば、その後のスキル習得をスムーズにさせてくれる効果があります。
また、転職するときにも情報処理試験で取得した資格は評価されます。基本情報処理技術者、応用情報処理技術者など。
ですが、スキルをIT業界的に見れば十分だろってぐらい身につけても、仕事がうまくいかないということもあります。
そもそも会社の業務内容が難易度高いというケースです。
ちょっとしたスマホアプリを作る会社から宇宙にロケットを飛ばすような会社もあります。世界最先端の技術は世界のどこかに謎の頭いい集団がいて、そういった人たちが意味不明な規格を作っています。
そんな英文でなぜそんなふうに作ったの?という理解すらできないものを解読し、プログラムに落とし込んでいきます。こんな仕事がむずかしくないわけがないです。
SE向いてないと思った時の解決策
わたしが声を大にして伝えたいことは、
- 『仕事がうまくいかない』 = 『SE向いていない』、ではない!
ということです。
SE向いてないかも、と落ち込んだり、自己嫌悪に陥ったり、自信をなくしたりすることもあるでしょう。最悪の場合はうつ病に発展してしまうかもしれません。
どうしても耐えられない!と思ったら、仕事の難易度を下げるのが手っ取り早い解決方法です。たとえば、
- プロジェクト異動を上司にお願いする。
- 仕事内容を開発からテストに変えてもらう。
- サポートチームに異動願いを出す。
- 事務職に異動願いを出す。
- 仕事の難易度が低い会社に転職する。
転職は最終手段として、まずはプロジェクトの異動が良いかと思います。自社内で解決できそうなものから始めましょう。もちろんプロジェクト異動直後も慣れない仕事から始まるので大変ではありますが。
わたし自身がバグで嫌な想いをすることが多かったので、テスタ・サポートチームへの異動はあこがれですね…。プレッシャー少なそうです。
ただし、楽な方ばかりに流れていくとお給料が上がらないという問題もありますからね。年収を上げるにはプロジェクトリーダーといった管理職に進まなければなりません。悩ましいところです。

まとめ
SEに向いてないなぁ…と思う瞬間のまとめとしましては、
- 仕様漏れのバグを出してしまった時
- コーディングによる単純ミス、バグを出してしまった時
- 打ち合わせとかで人の会話についていけない時
- 仕事の進捗が遅い時
- 部署・プロジェクトを転々とさせられた時
SEに向いていないと思うことの根本原因は『仕事がうまくいっていない』ことであり、仕事がうまくいかない理由はスキル不足、もしくは業務の難易度が高いことです。
SE向いてないと思っている時点でけっこう精神的にきているというのがよくわかります。わたしも何度も『…今日はもう会社いけないかもしれない…』と思ったことがあります。むしろ毎日、今でもそうかもしれません。
わたしは今のところうつ病といった気配はないのです。気づかないだけかもしれませんが。でも他人事ではないと思ってます。
あまり無理せずに環境を変えるということを視野に入れておいてください。