SEを長くつづけていれば誰だって一度はSEを辞めたいと感じることがあるはずです。
SEを辞めてどうするのか?異業種・異業界への転職です。理由にもよりますが、隣の田んぼは青く見えるというように、異業種・異業界の仕事たとても華やかに見えるんですよね。なんとなく、今抱えている問題がすべて解決するような気がしてしまいます。
そんな夢を見て、実際に異業種・異業界へ転職した人がいます。その結果、抱えている問題・悩みはすべて解決したのか…?

SEが異業種・異業界に転職して苦戦した話
SEの仕事が辛いので異業種・異業界に転職してみたが余計辛くなった。
まず最初に結論から書きます。
わたしの知り合いにSEをやっていて、異業種・異業界に転職した人が何人かいます。
みんながみんなそうというわけではないのですが、中には転職に失敗してしまった人もいます。
今回お話する人の話は、SEから事務職に転職したというお話です。

このように考えていたようなのですが、現実はそう甘くはなかったみたいです。
思いの外、一般的な仕事、事務の仕事ではITスキルが通用しなかったのです。
なぜSEを辞めたのか?
彼はSEの仕事が辛いと感じていました。
- 仕事がむずかしい。
- プログラミングはできるが、どうしてもバグが出てしまう。
- バグが出れば日程が狂う。
- 遅れを取り戻すために残業・休日出勤。
- バグが出るとヘコむし、会社への損害が気になって仕方ない。
体力的にも、精神的にも疲弊していました。そんな理由からSEを辞めたいと考えていたのです。
SEのスキルは異業種・異業界では通用しない
彼はSEとして3年の経験を積んでいました。異業種・異業界へ転職するにはそろそろ限界に近いとも言えるような年齢です。
3年程度SEをやっていればプログラミングスキルもある程度は身につきます。プログラミングでできることといえば…作業の自動化などがあります。

と思いませんか?ところが、彼が言うにはそうではなかったのだそうです。
- 一般的な企業はまだまだ紙媒体が多い。
- パソコンがあまりにも古すぎる…いまだにWindows XP使っているところもある。
- パソコンは1台を複数人で共有している。
- VisualStudio購入など、設備投資をしてもらえない。
- 昔からの伝統を重んじている。(ITのメスを入れようとしない、入れる気がない)

SEが異業種・異業界に転職すれば無双できるという勘違い
新卒でIT業界に入るとわからないことなのですが、IT業界の外ではコンピュータによる作業の自動化なんてものはまだまだ浸透していないのです。
いまだに紙媒体で書類のやり取りをしているところも多いし、パソコンだって1人につき1台というわけではないところもあります。
何より、開発環境がなければ作業効率を上げるようなプログラムだって作ることができません。

と思っていても、全然ITスキルを活用できないんです。
どれだけ提案しようとも、昔からの伝統を重んじる企業にとって新しいことをするというのはリスクを心配するばかり。

というのが企業の本音でしょう。
結局、SEに逆戻りする
わたしの友人は結局SEに戻ってきました。
- 異業種・異業界へ転職しても仕事の辛さは増すばかりだった。
- それならITスキルを活かせるSEやってほうがマシ。
異業種・異業界へ転職する人みんなが失敗するわけではありませんが、SEとしてある程度経験を積んだ人のほうが異業種・異業界への転職は失敗しやすい傾向にあると感じています。
その理由としては、SEの仕事になれてしまっている、というのが大きいです。SEとして仕事がこなせているのに、異業種・異業界へ転職してゼロからスタート、新人と同じ扱いをされるというのは受け入れがたいものがあるのでしょう。
SEの異業種・異業界転職で成功するのは、
- SEとして仕事がこなせない。
- 仕事が楽しくない。
などなど、SEとしての適正がなかったり、とにかくSEが嫌だという理由の人です。
異業種・異業界の仕事がこなせるかどうかではなく、『SEを辞めたことに満足』している人が多いです。
転職先で辛い思いをしても、その前のSEの仕事でもっと辛い経験をしているから耐えられるというケースが多いです。

まとめ
- SEとしてある程度経験を積んだ上で異業種・異業界へ転職すると失敗する確率が高くなる。
- ある程度仕事がこなせているのに、未経験としてゼロからスタートすると、ギャップが大きい。
- IT業界の外では作業の自動化なんてものはまだまだ浸透していない。
- ITによる変革よりも、昔からこうやっている、という伝統のほうを重んじる。
- そもそも1人1台PCが割り当てられていない。
もし異業種・異業界へ転職するのであれば、なるべく早いほうが良いです。もし3年目、3年以上で異業種・異業界へ転職したいのであれば社内SEを目指すのが良いでしょう。ソフトウェア開発をすることがなかったりするので、SE独特の辛さからは解放されるでしょう。
異業種・異業界へ転職するポイントとしては、
- SEのスキルを活かそうとは考えないほうがいい。
- 活かせればラッキー程度。
- 郷に入っては郷に従え。
異業種・異業界への転職にあまり夢を見すぎてはいけません。しっかり目の前の仕事をこなせるかどうかを考えるようにしましょう。