SEの仕事は辛いです。これは現役のSEであり、10年戦士のSEであるわたしが言うのですから間違いありません。
でもこれはわたしだけではなく、IT業界に生息するSEの78.91%程度のSEは同様の悩みを抱えていることでしょう。
そう、みんな何かを耐えながらSEを続けているのです。
そもそもSEの仕事が辛いとは言いますが、何が辛いのでしょう?その原因とはいったい何か?
今日はSEの仕事が辛い原因について書いてみます。

SEの仕事が辛いとされる原因
1.プログラミングがむずかしくて辛い
SEの仕事のメインはプログラミングです。SEだったらだれでもプログラミングができると思われるかもしれませんが、実際にはできないという人も多かったりします。
プログラミングができないSEというのは辛いです。どんな仕事もまともにこなすことができないためです。

と思われる人も多いでしょう。実際にプログラミングができないという人はそういった指摘を直接受けているかもしれません。
わたしの経験上、プログラミングスキルの習得はセンス・才能が大きく影響しているように感じています。
言い方は悪いのですが、センス・才能がない人はどれだけ死ぬ気になってプログラミングを勉強しても一生習得することができなかったりします。
そういう場合にはスパっと見切りをつけて異業種・異業界への就職、転職を考えたほうが幸せになれます。
2.規格・仕様がむずかしくて辛い
SEの仕事はプログラミングができるだけでは務まりません。プログラミングというのはお客さんが抱える問題を解決するための手段に過ぎないのです。
お客さんが抱える問題を解決するソフトウェア製品を作っていくのですが、それを実現するためには、
- 規格
- 仕様
というものがあります。
規格は世界的に決められた約束事であり、仕様はソフトウェアを開発するために必要な定義になります。
これがまた難解であったり、人が作るものですので解釈に『ずれ』が出てしまったりします。
そういった小さなひずみがプログラミングやテストなどで大きな間違いとなって現れてきます。
そうなると、設計の工程に戻ってやり直し…。日程も狂うし他の人たちにも多大な迷惑をかけてしまうことになります。
たくさんの人が蔑んだ目で見てくる…それがSEの仕事の辛いところです。
3.バグが出てしまって辛い
SEの仕事にミスはつきものです。ソフトウェアというものがまだまだ未熟なせいでもあるのですが、ほんのちょっとした間違いがすべての重要なシステムを止めてしまうバグになることもあります。
たまにニュースで駅や空港のシステムが止まったというのを聞きますが、あれもきっと誰かがたった1文字程度プログラミングを間違ってしまっただけなのでしょう。

裏では犯人探しが行われ、犯人は死にたくなるぐらい辛い想いをしているはずです。
ミスが許されない環境だけれどもミスがつきもの。それがSEの仕事です。
これはどんなに腕のいいSEでも同じでバグのないプログラムなんてものは作り出せないんです。
スキルを上げることは大切なのですが、それよりも大切なのはスルースキルです。大きな事件・事故が発生したとしても、

というような図太さがないとSEはやっていけません。できなければSEが辛くて辞めたくなります。
4.残業・休日出勤が多くて辛い
SEの仕事は突発的な残業・休日出勤はどうしても多く鳴ってしまいます。
これはブラック企業だからとか、そういう理由ではありません。むしろ最近のIT業界ではブラックらしいブラックはだいぶ減ったと思っています。
それでも残業・休日出勤がなくなったわけではないし、必要なときというのは必ずあります。
SEの仕事は日程を守っていくことがとても重要です。ソフトウェア開発というのは物理的な物を作る仕事ではないため、プロジェクトスタート時には作業の規模が見えづらいのです。
お客さんによって作るソフトウェアの形も全く違うので毎回ほぼゼロからのスタートです。ゆえに、正確な作業規模がわからず日程計画もできません。
ですが一度立てた日程は見積もりと違っていても守っていかなければなりません。この最初の見積もりが甘いと残業・休日出勤が多くなってしまいます。
- 日程を守るために残業
- バグが出れば日程に影響を出さないために休日出勤
などなど。
残業・休日出勤が多い = ブラック企業、ではありません。ここのところは本当に勘違いしないように。必要な残業・休日出勤すらブラックと捉える人も多いです。
SEの仕事には残業・休日出勤が多いという問題が切り離せない、辛いところですね。
5.納期のプレッシャーが辛い
SEは常に下記のポイントに注力しています。
- Q…クオリティ、品質
- C…コスト、予算
- D…デリバリー、納期
この中でも特に『納期』が重要です。SEは何があっても納期だけは死守しなければなりません。
納期に遅れるということが何を意味するか、今一度おさらいしましょう。
- お客さんが必要とするタイミングに製品を用意できない。
- 他社製品を使われてしまうかもしれない。
- お客さんの日程も狂わす。
たとえバグがあっても納期だけは守らなければなりません。
わたしの友人のSEの話ですがこんなのもありました。

いやー、信じられませんねぇ(笑)
ソフトウェアはお客さんの作業を自動化させるためのものなのですが、まさかデータを入力すると転送されて、自社で手計算して送り返すとは…。
…とまぁ、それほど納期は守らなければならないというものなのです。
そんな死守しなければならない納期。納期間近になるとピリピリした空気になってくるのは言うまでもないでしょう。
もし納期間近でバグなんてものが出てしまえば大変なことになります。SEは日々そういったプレッシャーに晒される辛い仕事なのです。

まとめ
- プログラミングはむずかしいので辛い
- 規格・仕様がむずかしいので辛い
- バグが出て辛い
- 残業・休日出勤が多くて辛い
- 納期のプレッシャーが辛い
SEの仕事は辛いことだらけです。ですが、これはSEに限った話ではないと思っています。どんな仕事だって辛いことの1つや2つ、かならずあるはずです。
辛いからやりたくない、辛いから転職だ、と考えてしまうのは少し早いかもしれません。どこの会社でも同じですが、ある程度のスルースキルは必要です。
わたしの尊敬する先輩だと何が起きても他人事、って人がいます。あきらかに重大な会社の経営を揺るがす問題を起こしても、他人事精神で乗り切ってましたからね!
普通の人なら呆れるのかもしれませんが、わたしは『これこそがSEに求められる能力だ』と、真理にたどり着いた気がしました。