SEをやっていると仕事が辛いと感じる場面はたくさんあります。
わたしは現役のSEで10年ほどやってきていますが、いまでも仕事が辛いと思うことはよくあります。むしろほぼ毎日といっていいほどです。
毎日会社へ向かう足取りは重いです。会社の敷地内に入って思う『あぁ、今日もまた来てしまった…』
SEが辛いと思った時はいったいどうすればいいのか?
その対策について書いてみます。

SEが仕事が辛いと思った時の対処法
1.気晴らしに休んでみる
わたしの経験から言えることは、SEの仕事が辛いと感じた時には一度気晴らしに有給休暇を取得して休んで見ることです。

と思うかもしれませんが、勇気を出して休んでみましょう。
たしかにタイミングにもよりますが、
- バグ修正が終わった時
- リリースが終わった時
- 仕事の負荷が高くない時
すきを見て積極的に休みます。
最近では『働き方改革』により仕事の負荷を下げていこうという動きがあります。
企業によっては残業が減っているところもあるし、積極的に休みを取るよう促している企業もあります。プレミアムフライデーも取り入れている企業もありました。
かつてIT業界はブラック企業ばかりと言われていましたが、最近ではその数はぐっと減ってきたように感じます。もしあなたが勤めている企業がブラックだと思うのであれば、今ではそっちのほうが異常であるということを知っておいてください。
休みを取得し、仕事のことを忘れてリフレッシュしましょう。気持ちがリセットされます。
会社には保養所があったりします。保養所というと民宿のようなボロ屋をイメージするかもしれませんが、企業によっては『会員制リゾートホテル』だったりすることがあります。超高級ホテルです。
部屋から海が見えるホテルに宿泊して気持ちを切り替えてみましょう。
2.人に相談する
SEの仕事で辛いと思った時には一度誰かに不平不満をぶちまけたほうが良いです。
企業によりますが、
- カウンセラー
- 産業医
がいるところもあります。企業でお抱えの先生がいなくても、提携しているところがあったりします。

というのであれば、自宅から近い施設を探してみましょう。
実はわたしもSEをやっていて、仕事が辛くて辛くて産業医やカウンセラーに相談したことがあります。その感想を書きますと…
カウンセラー
産業医
まとめますと、カウンセラーは心のケアをするだけで、産業医は心と身体がダメになる前にガードしてくれる、というイメージです。
産業医がいるのがベストなのですが、企業によってはいないところもあるのが残念です。

3.スキルアップを目指す
仕事が辛いと思う理由にはいろいろありますが、わたしが知る限りでは『仕事がうまくいかない』という理由が多かったです。
仕事がうまくいかない理由は、
- バグが出る
- 規格・仕様がむずかしい
IT関連だったり、仕事の進め方といったスキルに関することが根本的な原因であったと感じています。
今までにたくさんのSEを見てきましたが、プログラミングが満足にできていないSEというのは多かったです。日常的に使うプログラミングがわからない場合のSEのストレスというのは大きいでしょう。
ITスキル習得にはある程度のセンスが必要だと感じていますが、できることなら極力自ら勉強して習得できるようにしましょう。
特に、IPAの情報処理技術者資格は積極的に取得することをおすすめします。
多くのITエンジニアはベンダー資格を推奨することでしょう。
- Oracle
- cisco
などなど。こういった資格はたしかに取得できればすごいのですが、失効があります。これらの資格が必要とされる人は、今現在最前線でその仕事をやっている人だけです。間違っても新人・若手のSEが取得して、その結果仕事がもらえるとか、そういったものではないです。実務経験+資格で活きるものです。
新人・若手SEは情報処理技術者を取得するようにしましょう。
- 基本情報処理技術者
- 応用情報処理技術者
これらの資格には、これから先SEをやっていくために必要な『基礎』がたっぷり詰まっています。基礎さえわかればあとはすべて応用・派生させるだけです。基礎を固めるだけで今後のSE人生がぐっと楽になっていくことでしょう。
ちなみにわたしも持っていますが、わたしのスキルを構成している8割りは情報処理技術者資格によるものだと思ってます。
4.耐える
これはSEの仕事に関わらず、どんな仕事においても辛いと感じることはあります。
- 仕事が辛いから辞める
- 転職する
- プロジェクト異動する
- 部署異動する…
メンタルが潰れる前にそういった措置を取るべきなのは間違いないのですが、ある程度の我慢も必要なことなのです。
すぐに環境を変える、ころころ環境を変えているとそれがクセになってしまうこともあります。
その結果、職を転々としてそのうち35歳を過ぎ、正社員としてどこも雇ってくれなくなってしまうということもあります。実際にわたしの友人でそういう人がいました。転職回数が多すぎて20代後半という早い段階からどこも正社員として雇ってくれなくなってしまいました。今では登録制の派遣社員をやっています。

要は、上述したような人間になってはいけない。辛いからといってすぐに異動や転職を繰り返していては仕事が辛いと思う以上の地獄が待っているということです。
5.スルースキルを高める
ただ耐えろ、我慢しろ、というのも辛いことです。
SEの仕事にはミスがつきものです。どんなソフトウェア製品にもバグは出るし、どんな神クラスのSEでもバグ出します。
多い少ないはあってもみんな等しくバグは出しているのですが、ヘコむ人とケロっとしている人、大きく分かれます。
その理由は何かと言うと、『考え方』です。たったこれだけのことだったりします。(まぁ考え方が変えられないからむずかしいのですが)
わたしが知る限り、仕事でミス・バグを出しても気にしない人の特徴は、
- 事故・事件が起こっても他人事。
- 他人に厳しく、自分に甘い。
- 他人に責任転嫁。または共犯者を増やす。
一見するとクズっぽいのですが、これはSEをやっていく上では非常に大切なことです。
SEはスキルアップとかキャリアアップとか、大義名分を掲げる人や意見が多いのですが、何よりも大切なのは自分。自分のメンタルです。
毎日苦痛を感じる人生は生きていて価値なんてあるのでしょうか?

と開き直って分相応な仕事をやっていたほうが幸せな人生だと思います。
新人・若手の内はスキルアップ・キャリアアップを目指す人も多いのですが、10年目SEぐらいになると家庭を持ったりしますので保守的になってきます。
- 給料・年収
- リストラされないこと
- 働き続けること
こちらのほうが重要になってきます。働き続けるためには健康でなければならない。SEの仕事が辛いとうつ病などを発生させることがあります。
病気にならないために、スルースキルを高める必要があるのです。
6.転職を検討する
本当にもうダメだ!と思った時には転職です。
世間一般的にはこのように言われます。
- 転職ですべてが解決するわけではない
- 転職直後は仕事も慣れていないので辛い
- ふたたび人間関係を構築しなければならないので辛い
転職はたしかに労力のかかることではあります。すべての悩みを解決するものではありません。
ですが、わたしも含めて転職をしてきた人は、もうどうしようもないくらい追い詰められていて一旦すべてをリセットさせたいんですよね。
転職はリセットという手段としては有効であると思っています。
異業種・異業界への転職は基本的には推奨しませんが、SEの仕事が辛くて転職したいというのに、またSEをやっても辛いだけだったりします。
SEはSEでも社内SEになれば仕事内容が90度以上変わるので選択肢としては良いかと思います。完全にSEを辞めるというのもわたしはアリだと思っています。

実際にわたしの友人にはSEを辞めて異業種・異業界へ転職した人もたくさんいます…というか、実際にはそちらのほうが多かったです。
異業種・異業界への転職で成功する人は入社3年以内に転職した人です。それ以上の場合にはあまり満足度の高い転職とはならなかったように感じます。未経験採用で給料も少ない。年齢だけは一人前なのにスキルは新人レベル。居心地が悪く『SEのほうがマシ』と戻ってきた人もいました。
転職に成功した人に共通して言えるのは、『辛い現状から抜け出せた』というのが多かったように思います。とにかく『今』から抜け出したい。『今』だけ変えられればいい!という感じですね。
給料が少し下がってもいいって人もいたし、休みがなくてもいい、って人もいました。本当に追い詰められると、一回転職でもしてみないと気がすまないのです。

まとめ
- 仕事を休んでみる。
- 誰かに愚痴をぶちまけてみる。
- 仕事が楽になるようスキルアップを目指す。
- 仕事が辛くても、ある程度の我慢は必要。
- 我慢するのではなく、スルーする。常に『他人事』の精神。
- どうしてもダメなら転職を考えてみる。
SEの仕事が辛いと感じるのには人それぞれ理由が異なります。バグが出るのが辛いのか、残業・休日出勤が多くて辛いのか。
まずはしっかり何が辛いのか、自己分析をしてみることをおすすめします。辛いと感じる原因によって対処法が異なってきます。
わたしが言えることは、『自分を大切に』ということです。
メンタルを潰さないようにすること、辛いと思うような仕事を一生続けないようにすることです。
わたしはもう10年以上SEをやっていて年齢は35歳を超えています。SEの仕事が辛いと思っていますがもう転職ができるような年齢ではなくなってきています。
これから先ずっと辛いと思うような仕事をするのかと思うと…。35歳までは『一生の仕事』を探す期間です。しっかり自分と向き合って考えてみてください。