
わたしはかれこれ10年以上SEを続けていますが、SEを辞めたい…辞めてしまいたいと思うことがよくあります。
SEは仕事内容がむずかしくバグを出してしまうことも多いです。バグが出れば突発的な残業や休日出勤をすることもあります。
また、バグは日程を狂わすだけではなく、会社の経営だって狂わせます。時には何千万、何億という損害を与えてしまうこともあるでしょう。
これはわたしがたいしたレベルのエンジニアじゃないという理由もありますが、ソフトウェア開発においてミスやバグの発生というのはどうしても完全に回避することはできません。
そんな高い作業負荷、強いプレッシャーの環境で仕事をしているというのは辛いです。SEを辞めたいと思うこと、SEなら誰しも一度…いや、毎日だって考えることもあるはずです。
ではSEが嫌なら転職すればいいのか?でもwebサイトを見てもSEの転職はSEからSEへ転職する方法ばかり。異業界・異業種への転職する話はないものか?
いいえ、あります!というか、リアルなSEの現場ではSEそのものを辞める人がけっこう多いです。今回はわたしの身近な体験談を語ってみます。

SE辞は異業種・異業界への転職は可能か?いつまでにすべきか?
異業種・異業界への転職は可能
まず最初に、SEの異業種・異業界への転職は可能なのか?不可能なのか?という点についてです。
結論から書きますが、SEの異業種・異業界への転職は可能です。実際にわたしの身近のSEは異業種・異業界へ転職した人が多いです。
たとえば下記の職業へ転職しました。
- 一般企業の事務職
- 自動車販売
- 縁結び関係(社内SE)
- 放送関係(社内SE)
などなど。わたしの経験上、SEの転職はIT業界内で転職をする人が50%、異業種・異業界へ転職する人が50%といったところです。
ネット上の情報だとSEの異業種・異業界への転職はあたかも少ない、むずかしいという印象を受けるのですが、そんなことはありません。
よく考えてみてください。世の中には家の都合で会社を退社する人が一定数います。そういう方は地元に帰って仕事を探すのですが、都合よくIT企業があるでしょうか?
異業種・異業界への転職はキャリアが活かせず条件が厳しくはなります。しかし、地方は都心と比べると仕事の選択肢は少なく、異業種・異業界への転職を余儀なくされるというケースもあるんです。
新卒で入社してから3年以内が限界
ただし、SEの異業種・異業界へ転職するにはある程度の年齢があるとむずかしくなるように感じています。
10年以上SEを続けているわたしが感じる、SEが異業種・異業界へ転職できる限界となる年齢は、新卒で入社してから3年以内である、と考えています。
なぜ3年なのか?その理由が下記です。
- 新卒から3年間は育成期間。
- 企業は社会人3年目以上の社員には即戦力を求める。
SEの場合、だいたい3年ほど実務に携わっていると指示を出せば指示通りの仕事ができるようになってきます。しかし、SEの仕事というのは高度なスキルが要求されるため、適正のない方だと仕事がうまくこなせないこともあります。3年目にして上司・先輩の指示通りに仕事がこなせないようならば転職を検討したほうが良いでしょう。長く続けても辛いだけかもしれません。
SEの異業種・異業界への転職というのは基本的には未経験としての採用になります。社会人経験3年以上の方には即戦力を求めているのに、未経験として採用してくれと言われれば良い顔はしないでしょう。
若さがある分、未経験採用でもゆくゆくは管理職といったキャリアプランはまだ描けますが、年齢は重ねれば重ねるほど不利になっていきます。
社会人3年目以降の異業種・異業界への転職は条件が厳しい
今までにたくさんの転職者を見てきましたが、その経験から言えることは、

ということです。わたしが思うに、その理由が下記です。
- 3年以上SEをやっている人はそこそこSEに向いていると判断しているため、異業種・異業界へ転職する理由がない。
- 異業種・異業界への転職は未経験採用となるため、給料などの待遇が悪くなりすぎる。
- そもそもSEは割りと給料が良い職業のため、お金を優先してIT業界内で転職する。
簡単にまとめると、3年目以上の人は異業種・異業界へ転職するメリットが少ない、理由がないということです。
SEに適正がないと判断して転職する人も、だいたい3年以内には転職を決意しています。SEに適正がなくても会社に残る人もいます。そういう人は仕事ができないと自分に自信をなくし、こんな自分に転職先なんてないと思って会社にしがみついている人だったりします。
また、SEの仕事に慣れすぎると他の仕事を受け付けなくなるというのもあります。
わたしの知り合いにはSEから異業種・異業界へ転職したものの、仕事が合わずにSEに戻ってきたという人もいます。おまけに元の会社に土下座して採用してもらいました。
SEが異業種・異業界へ転職するなら新卒で入社してから3年以内にする!
ここまでのお話をまとめますと、SEを辞めたい!と思って異業種・異業界へ転職するなら3年以内に判断しましょう!ということです。
- 3年目までは育成期間。
- 3年目までは仕事との相性、適正を調べる期間。
- 3年目までは新卒カードが生きている。
SEを3年以上続けたあとに転職した人たちを見ていると、
- 3年以上SEをやってから異業種・異業界への転職は、できなくはないけどむずかしい。
- 給料などの待遇が悪くなる、年収が下がる。
こういったデメリットが目立っています。やはり目につくのが給料・年収が下がるという点ですね。
年齢が高ければ高いほど、年収ダウンは受け入れられなくなるでしょう。家庭を持ったり、子供の養育費などを考えると、ある程度の年齢になってから異業種・異業界へ転職して、未経験採用でゼロからスタートだと生活が厳しくなります。

まとめ
- SEの異業種・異業界への転職は可能。
- リアルな現場の話としては、異業種・異業界へ転職するSEは50%近くいる。
- 異業種・異業界の転職は3年以内に転職する人が多い。
- 3年以上の経験を積んだ後に異業種・異業界へ転職する人もいるが、転職しづらく、待遇も悪い。
- 異業種・異業界へ転職するなら3年以内に。
- 3年以上経過したなら、できればIT業界内で転職したほうが無難。
3年以上経過した人は、

と思ってしまうかもしれませんね。わたしも転職を経験しているのですが、転職は何よりも失敗しないことが大切です。
SEが嫌になって異業種・異業界へあこがれる気持ちというのは痛いほどわかります。ですが、完全に右も左もわからない職業についていきなり即戦力として扱われても、SE以上に仕事がむずかしく感じるでしょう。
SEはSEでも社内SEという選択をすることで問題が解決する可能性があります。社内SEは『SE』なんて名前をしていますが、どちらかというと事務職の延長線上にあるお仕事です。ソフトウェア開発につきまとうミス・バグの発生、それに伴う残業・休日出勤の機会はぐっと減ります。
わたしの友人にも何人か社内SEに転職した人がいますが、非常に満足度が高く幸福な人生を歩んでいるように見えます。よければ検討してみてください。