SEを辞めたいと思うことは、SEならば誰でも一度や二度は思うことでしょう。
SEを辞めるといっても、IT業界内で転職するのか?異業種・異業界へ転職するのか?どちらを選択するかで大きく方向性が変わります。
SEを辞めたいと思った人の中には、SEという職業そのものを辞めたいと思い、異業種・異業界への転職を考える人も多いでしょう。
では、どういった理由でSEを辞めて異業種・異業界へ転職しようと考えるのか?今回はわたしの身近にいた、SEから異業種・い業界へ転職した人のお話です。

SEを辞めて異業種・異業界へ転職する理由
1.SEの仕事がむずかしくてわからない、ついていけないため適正がないと考える。
SEが異業種・異業界へ転職する理由で一番多いと感じているのが、SEの仕事がむずかしい!ということです。
このケースは特に新卒から3年目までの方に多いです。
本人は別に怠けているわけではなく、一生懸命真面目にプログラミングといった技術面の勉強をします。
しかし、どれだけ勉強してもプログラミングスキルを習得することができないという人もいます。
プログラミングをはじめとする、コンピュータのスキルというのはある程度のセンスが必要になります。
早い人だと新卒で入社して2週間以内にプログラミングスキルの基礎を習得できます。でもこれは早い方ではなくわりと普通だったりします。
遅い人だと研修期間ではプログラミングスキルを習得できないし、SEを3年やっても習得できない人もいます。SEを10年やっているのに、いまだにプログラミングができずにテスターをやっているという人もけっこういます。わたしの体感では、10人いたら1人はそういうタイプです。

と思った人はある意味幸せです。10年間プログラミングがわからずテスターをやっていたり、仕事できないやつとして扱われてプロジェクトをたらい回しにされるよりはよっぽど幸せです。
わたしはたいして仕事ができるSEではなく、中途半端に仕事ができるSEです。中途半端に仕事ができてしまうものだからソフトウェア開発で重要な仕事も任されます。ですがバグが出てしまうのです…。バグが出て残業したり、バグの影響がでかくて会社に損失を与えてしまったり…。ある程度仕事ができてもSEは辛い仕事なんです。
厳しい言い方かもしれませんが、1年目でも2年目でも3年目でも、プログラミングがわからない、SEの仕事がむずかしい、一生懸命努力したけど、この先努力を続けても芽が出なさそうだと思ったら早めにSEから足を洗って異業種・異業界へ転職してしまったほうが幸せな人生を送れます。
2.ITに興味が全くない!勉強もしないし成長もない。仕事が楽しくない。
次にSEを辞めて異業種・異業界に転職する理由で多いのが、IT関係に全く興味がないというパターンです。

そんな疑問が浮かんできます。
入社した当初からプログラミングに興味がない、コンピュータなんて触ったこと無い、という人がいたりします。人事も何を見てその人を採用したのだろうか?と不思議に思います。
SEという職業はある程度は勉強が必要になる仕事です。
- プログラミング
- 業務に関係するコンピュータスキル
などなど。わたしの場合はweb関係の仕事をしているため、ネットワークやサーバの知識が必要になります。プログラミングができるだけでは足りないのです。
それなりに勉強が必要なのに、ITに興味がないという理由でほとんど…いや、一切勉強しない。成長もまったくないし、仕事も満足にこなせない。
わたし個人としては、オフの時間を使ってまで勉強するというのは強要してはいけないし、そうあってはならないと思っています。
つまり、SEは自ら楽しんで勉強できるようなタイプでないと続けていけないんです。無理してオフの時間を消耗して仕事のために勉強して…ということをしていては、

という気持ちも湧いてくるでしょう。仕事というのは人生の大半の時間を捧げることになりますので、好きなこと、楽しいと思える仕事を選びましょう。
3.SEの仕事は忙しすぎる!もっと充実したプライベートを過ごしたい。
SEの仕事は激務であるということはたびたび言われています。ですが、経済産業省の統計によると、そうとは言えないことがわかります。
上記の記事には厚生労働省による一般職も含めた月平均の残業時間についても書いています。
SEの残業時間と一般職の残業時間を比較したところ、大きな差はないと判断しました。また、SEの残業時間も1ヶ月あたり25時間~30時間程度となっています。

これが真実です。SEをブラックと煽る人は、過去にSEで辛い体験をしたか、煽ることで何かしら得をする人でしょう。
ただし、10年以上SEをやってきたわたしですが、仕事が忙しいと感じることは多いです。
- バグが発生!
- 納期間近!
- 急遽、残業で対応!
- 残業だけじゃ間に合わない!休日出勤だ!
そう、SEの仕事の忙しさというのは『偏る』のです。暇なプロジェクトもあれば、激務なプロジェクトもあります。
SEの仕事が忙しすぎると感じたのであれば…それは運が悪かったというのもあります。SE = 激務とは限らないため、もしかすると異業種・異業界への転職じゃなくても問題は解決できるかもしれませんね。
社内SEなどであれば自分でソフトウェアを開発することもなかったりしますので、バグが発生して残業で対応…なんて機会も少ないです。
4.本当はSEを続けたい…でも家庭の事情でやむを得ず転職。
SEから異業種・異業界へ転職する人の理由は、なにかしらSEという職業に不満を持っている人が多いです。
しかし、SEを続けたいのだけれども続けられないという人もいます。その理由としてあげられるのが家庭の事情です。
- 両親の介護が必要になった。
- 両親の家業を継ぐことになった。
後者はともかく、前者のほう。この場合は地元に戻って就職活動をするという人がほとんどです。
IT企業というのは割りと都心に多い会社です。地方ではIT企業がないわけではないけど少ないです。
SEを続けたいと思っていても、自分が希望するIT企業が地元にはないというケースもあります。そういう場合はやむを得ず異業種・異業界への転職となります。

まとめ
SEが異業種・異業界へ転職する理由をおさらいすると下記です。
- 仕事がむずかしい、わからない、ついていけない→SE向いてない。
- ITに全く興味がない。勉強もしないので成長もない。仕事がつまらない。
- SEの仕事は忙しすぎる!忙しさにムラがある、偏りがある。
- 家庭の事情によりやむを得ず異業種・異業界へ転職。
ネット上では、SEの異業種・異業界は逃げのように言われることがあります。
- SEの仕事が嫌になったのは甘え。
- 勉強が足りないだけ。
などなど。わたしとしては適正のない仕事をだらだらと長く続けるよりは、思い切ってスパっと転職してしまったほうが本人のためだと考えています。
本当によくないのは、SEの適正がないのに10年も続けてしまって、生き残れるかどうかのギリギリラインで会社にしがみついているというパターンです。
毎日が楽しくないだろうし、周りからも仕事ができないやつという視線も送られ、生きているのが辛いだけでしょう。
SEはうつ病を発症する人も多いです。うつ病は一度発症すると長い付き合いになりますので、メンタルを壊す前に転職を検討したほうが身のためです。