
これは大手の転職サイト、転職エージェントでも言われていることです。むしろどこもかしこもSEの転職系サイトでは同じようなことが書かれていますね。
でも本当にそうなのでしょうか?SEという職業はどちらかと言えばパソコン好きな人がなる職業であり、インドア派。とてもコミュンケーション能力が高い人が多いようには見えないのですが…。
SEにコミュニケーション能力は本当に必要なのか?必要とされている本当のコミュニケーションとはなんなのか?現役SEの視点で、リアルな現場の状況も踏まえて解説したいと思います。

SEに必要とされているコミュニケーション能力の正体
SEにコミュニケーション能力は必要なのか?
まず最初に、SEにコミュニケーション能力は必要なのか?という点について書かせてください。
なぜこんなことを書くのかと言うと、ネット上の情報では、

という意見を多く見かけるからです。
わたしは現役のSEであり、経歴はかれこれ10年を超えています。
そんなわたしから言わせてもらいますと、SEにコミュニケーション能力というのは必須というわけではありません。むしろコミュニケーション能力がない人のほうが圧倒的に多いです。
コミュニケーション能力が低い人でも仕事をこなしています。たしかにあれば有利ではあるのですが、必須ではないですし無くても無いなりになんとか仕事をこなしているのが現実です。
SEに求められるコミュニケーション能力は一般的なものとは違う。
一言でコミュニケーション能力が大事と言われても、それは世間一般の認識とは大きく異なります。
一派的なコミュニケーション能力というのは、
- 流暢にしゃべることができる。
- 人前に出てもあがらない。
- 人の心を掴むトークができる。
などなど、このようなものを指している場合がほとんどです。
しかし、SEに求められるコミュニケーション能力というのは上記のものと比較すると90度ぐらい違います。
SEに求められるコミュニケーション能力は『聞く』・『伝える』力を指す。
コミュニケーション能力には文系のコミュニケーション能力と理系のコミュニケーション能力、この2種類があります。
- 文系のコミュニケーション能力…人を楽しませる、心を掴む能力。
- 理系のコミュニケーション能力…自分の理解を伝える、相手の意図を理解する能力。
SEに求められるコミュニケーション能力は理系のコミュニケーション能力であり、
- 人の話を聞く、理解すること。
- 自分の考えを出来る限り100%伝えること。
これらのことを指します。
『理科系の作文技術』という書籍にも書いてあることなのですが、ソフトウェア開発のように1つの製品を複数人で作り上げる時に必要なことは面白いトークができるとかそんなことではなく、チームメンバ同士の認識を完全一致させることが大切になります。
伝えたい…でも全然伝わらない!
人は自分が思っている以上に自分の考えを言葉にできないし、言葉にしても相手は100%その意味を理解することができません。
- 自分の考えを100とする。
- 言葉にすると60になる。
- 60のことを聞いても40しか理解できない。
というイメージ。これを限りなく100の考えを100の言葉にする必要があるのです。そのためには、
- 必要なことだけを伝える。
- 必要のないことは一切伝えない。
- 相手に誤解させる余地を一切与えない。
という技術…コミュニケーションスキルが必要になるわけです。これがSEに求められるコミュニケーション能力、理系のコミュニケーション能力となります。」
SEはインドア派な人が多いせいか、人格形成ができていない、人格破綻者がいる確率が高め。
断言しますが、SEになるという人はインドア派な人が多いです。パソコンを使うという仕事の性質上、やっぱりパソコン好きな人が集まります。
パソコン好きな人というのはどういう経緯を歩むかによりますが…ゲームが好きでパソコンをいじりだすという人は多いです。
ゆえに趣味がゲームであるという人が多く、インドア派です。ちなみにわたしが新人だったころ、自己紹介の時にみんな趣味はゲームですと答えていました。

…話を戻しましょう。
インドア派なSEが多いのですが、そういうタイプは人と接する機会も少なかった人ばかりです。
人の性格、人格が形成されるのに大切な時期とはいつでしょうか?その多くは学生時代にあるはずです。学生時代にゲームだったりパソコンばかりをいじっているような人が人から愛されるような性格に育つでしょうか?どちらかというと少ないはずです。
わたしも長いことSEをやっていますが、性格が悪いSEは多いと感じています。
特に打ち合わせなどをしているとき、
- 人の揚げ足ばかり取る。
- ミス・バグが出ると人のせいにする。
- キレる・怒る。
どれもこれも厄介なものばかりです。優劣つけがたいですが…身近にキレる・怒る人がいると仕事がやりづらいですね。

と頭でわかっていても、キレる・怒る人の波長と言うのでしょうか?そういった感情を自分に対してぶつけられるとスルーしきれないものがあります。

と思うかもしれませんが、けっこういます。1つの部署に1人はいるイメージです。そして1人いるだけですべてが狂っていきます。
わたしは現在、正社員としてweb系のお仕事をしていますが、派遣社員でキレる派遣社員にあたったことがあります。わたしより立場が下のはずなのに身分をわきまえず、お客様であるわたしに対してキレるとか…。ホント、SEには人格破綻者が多く疲れます。

まとめ
- SEはコミュニケーション能力必須と言われるがそんなことはない。
- たしかにあれば有利なのは間違いない。
- しかし、SEに求められるコミュニケーション能力は一般的なものとは異なる。
- 伝える力、聞く力が重要であり、面白い・人の心を掴むようなコミュニケーション能力は不要。
- 極論すれば、人との会話が苦手で一切喋れなくても、自分の考えをしっかり相手に伝えられれば問題なく仕事はできる。
- SEはインドア派も多く、コミュニケーションが苦手な人も多いが、みんなそれなりに仕事はしている。
SEに求められるコミュニケーション能力というは性格とかセンスのようなものではなく、技術なんです。勉強をすることで習得することはできます。
むしろ問題なのは、人格破綻者みたいなのが多いというところでしょう。そういう人と付き合っていくというのは大変ですし、プロジェクトリーダーやマネージャになれば嫌でもそういう人を操縦しなければなりません。
…SEはとにかく心労の多い仕事です。ソフトウェア開発ではバグや日程のプレッシャーに潰され、リーダーになれば人格破綻者の扱いに疲れる。大変なお仕事だと思います。