SEやってるんだけどプログラミングがわからない。わたしは10年以上SEをやっていますが、1年目のSEに限らず3年、5年、10年目のSEでもプログラミングがわからないという人がいます。
プログラミングがわからない!というとネット上の声は、
- ちゃんと勉強したのか?
- 努力が足りないだけではないか?
という意見を見かけます。はたしてそうでしょうか?
現役SEであるわたしの意見としましては、プログラミングはある程度『センス』が必要です。プログラミングがわからなかったとしてもそれは努力が足りない、仕事の能力が低いというわけではないんです。
今回は、プログラミングがわからないSEは辞めたほうがいいのかどうかという点について書かせていただきます。

SEだけどプログラミングがわからない…辞めたほうがいい条件
1.プログラミングはセンスが必要なスキル
かるく上述していますが、プログラミングはセンスが必要なスキルです。
プログラミングのセンスとは、
- 論理的な思考力
- 問題発生時の分析力
などがあります。
プログラミングがわからないという人の特徴として、別に怠けているわけではなく、むしろ一生懸命勉強しているように見えます。ですがやっている勉強があくまでもプログラミングなのです。
論理的な思考力が必要とは言っても、これは勉強をすることで身につけることがむずかしい力です。数学の図形の証明問題など、1つのことから正解を導き出していくような力が求められます。
問題発生時の分析能力については、なにか問題が起こった時、1つの事実から正解を導き出す力になります。

と当てずっぽうな考え方をしてしまう人だと、プログラミングのセンスはないと言えるでしょう。
2.能力が低いわけではない、プログラミングできないSEはたくさんいる
わたしの経験上、1割りぐらいの人は全くプログラミングができません。そして2割りぐらいの人がプログラミングはわかっているけどソフトウェアを作り上げることができません。
なので、プログラミングがわからないからといって落ち込む必要はないと思います。SEに求められるスキル要件が高すぎるんです。
SEは引く手あまたで企業が積極的に採用しようとしています。その背景事情としては、

要は、人を雇っても雇っても、企業が望んでいるレベルの人材に当たらないということです。それだけ満足にプログラミング、ソフトウェア開発のできるSEがいないんです。
まずわたしが言いたいことは、プログラミングがわからないからといって落ち込みすぎず、自信をなくさないようにしてほしいということです。他に生きる道はたくさんありますので、自分自身を過小評価してしまうとその後の人生に影響が出ます。
3.プログラミングがわからないSEの末路は悲惨
とはいえ、プログラミングがわからないSEの末路というのはたいていの場合は悲惨なものになります。
- どこのプロジェクトに行っても『使えないやつ』として扱われる
- 使えないのでプロジェクトをたらい回しにされる
- 陰で悪口をめっちゃ言われる

プロジェクトに入って仕事してみて、プログラミングができずに使えないやつと判断される。使えないので他のプロジェクトに送られるけれども、やっぱりプログラミングができないので使えないやつと判断される。そしてまたプロジェクト異動…。プロジェクトのたらい回しです。
プロジェクト異動をするとまたゼロからプロジェクトの勉強をし直します。負のスパイラルにどハマりしてしまいます。こうなってしまうと抜け出すのはなかなかむずかしいです。
4.『中途半端にプログラミングがわかる』状態も良くない
これはもしかするとわたしのことかもしれません。プログラミングが中途半端にわかってしまっているタイプ。
プログラミングはただできればいいというものではないです。
- 他人のソースコードを理解できる力
- バグを埋め込まないほどの腕前
- 将来的に改造してもバグを出さないような設計
こういったさらなる上位の能力を保有してこそ、プログラミングが満足にできると言えます。
わたしはどちらかというと他人のソースコードを理解するのが苦手ですし、10年SEやっているのにまだまだバグをたくさん埋め込みます。正直な話をするとバグに追い詰められてうつ病になりそうです。
ですが、わたしの場合は断固として他のプロジェクトに回されたり、事務職に回されることがありません。なぜなら、『とりあえずプログラミングできる』からです。
SEはプログラミングができて当たり前と思われるかもしれませんが、現実の世界では本当の意味で満足にプログラミングができる人は少ないです。わたしの体感では、本当にできる人は上位3割程度です。
企業側も求める人材が見つからないという統計が出ています。求める人材が見つかるまで求人を出し続ける。結果、SEは慢性的な人材不足となっているわけです。
特別できるわけではないのに最前線に置かれるため、バグは出るし、バグが出れば日程狂うし、日程狂えば残業や休日出勤…。すべて身から出たサビのようなものなのでブラックとも言い切れませんが、不規則な労働になりがちですね。
結局、プログラミングが中途半端にできることでも、追い詰められてしまうのです。仕事の難易度さえ下がれば問題が解決する可能性がありますので、事業内容をよく確認した上で転職を検討してみると良いでしょう。

まとめ
- プログラミングはセンスが必要
- プログラミングがわからないのは能力が低いわけではない
- プログラミングがわからないSEはたくさんいる
- プログラミングがわからないSEの末路は悲惨
- 中途半端にプログラミングがわかるのも良くない。
- SEとしてやっていけるかどうかの判断は早めに。遅くとも3年以内に。
プログラミングがわからない人は異業種・異業界へ転職してしまったほうが良いです。あるいは社内で事務職に回ることができればそれもアリです。
わたしの経験帖、プログラミングがわからないと感じた人はだいたい3年以内に異業種・異業界へ転職しています。SEを続ける人もいましたが、社内SEといったプログラミングをあまり必要としない職種に転職していきました。
逆に、プログラミングがわからないにも関わらず3年を超えてしまった人は、今でもずっと転職などせずにSEを続けています。
- 転職の選択肢が少ない
- 自信を失っている
- 現状のままどう生き残るかを考えるようになる
辛い現状ですが、現状を変えられるだけの力量がないと思っておりずっと会社にしがみついているような状況です。
たしかに、3年を超えてしまうと異業種・異業界への転職がむずかしくなります。実際にわたしの友人でSEからトラックの運転手へ転職したものの、数年後にSEに戻ってきた人もいます。プログラミングがわからない、SEとしてやっていけなさそうだという判断は遅くとも3年以内にすべきでしょう。
また、厄介なのが『自信喪失』です。プログラミングがわからないだけなのに、仕事すべてができない、仕事ができないやつだと思ってしまいがちです。
別の仕事だったらきっとできるはずなのに…チャレンジしようとする心すら折られます。
その結果、『自分はもうここにしか居場所がない…ここですら辛いけどしがみつくしかない…』と思ってしまいます。